府・大阪市の開発に統合し進行
「堺グランドデザイン2040」
事業変更 堺市議会・市長に無報告
共産党堺市議団 隠蔽体質改め情報公開を
堺市の永藤英機市長(大阪維新の会顧問)が、大阪府市のIR(統合型リゾート)・カジノ誘致をはじめとする大型開発計画に統合して進めようとしている「堺グランドデザイン2040」を巡り、議会の前提を崩すような事態が起きています。
「堺グランドデザイン2040」では、堺旧港(堺区大浜北町)の「大浜北町市有地活用事業」で、公共施設整備と一体に新ホテル建設を計画しています。日本共産党堺市議団は8月末の本会議で、ホテル事業者がコロナの影響を受け、市有地に係る地代を約4400万円滞納している問題を追及しました。事業者は外資系で、IR事業者です。
9月22日の建設委員会での石谷泰子議員の質問では、当初、ホテル建設が総工費約130億円、延床面積3万8735平方㍍だったものが、約60億円、1万3961平方㍍に縮小される一方で、公共施設整備費は約7億3千万円から約9億1千万円に増えていることが分かりました。
永藤市長は「財政危機宣言」を出し、市民運動で実現してきた「おでかけ応援制度(100円バス)」の対象年齢引き上げなどを内容とする「財政危機脱却プラン(素案)」を打ち出しています。
石谷議員は「財政危機と言って市民サービスを削るのではなく、大浜北町市有地活用事業を凍結すべきだ」と提案。これに対し市は、「税源涵養に繋がる」「固定資産税として年間1億円の税収」などを理由に事業を進める構えを見せました。
ところが同24日の総務財政委員会の森田晃一議員の質問で、市が税収として示した「年間1億円」の固定資産税は、当初計画していた建築物に係る金額であり、実際には減額することが分かりました。
さらにホテル建設を巡る事業の変更を、昨年12月にすでに計画していたにもかかわらず、堺市建築都市局はこのことを議会にも報告してこなかったばかりか、市長とも庁内各部局とも情報を共有していなかったと答弁。信じがたい事態が判明しました。
同党市議団は「市政に対する信用失墜を招く隠蔽体質を直ちに改めよ」と責任を厳しく質し、事業を巡る全ての情報を公開するよう求めました。
(大阪民主新報、2021年10月3日号より)