日本共産党大阪市会議員の質問から
メトロ任せにせず安全確保を
都市経済委員会で山中議員
9月22日の都市経済委員会で山中智子議員は、大阪メトロが「業務効率化」の名で進める職員削減と乗客や市民の安全確保の問題などについて質問しました。
大阪メトロは「中期経営計画」に基づいて5年間で500人近い職員の削減を計画し、今里筋線ではことし4月から駅員が1人体制になっています。大阪メトロや市都市交通局はこれまで「1人で対応可能なマニュアルを整備しており、安全性は低下しない」と説明してきました。
いくつかの駅を回って実情を調べた山中氏は、改札には駅員がおらず、駅長室で話を聞いたことを紹介。駅員からは「お客さんから呼び出しがあって行っている時は、駅長室は空になる」「心細い。でもこれ以上は私の口からは言えない。会社の方針なので」との声が寄せられたと述べました。
さらに駅への浸水を防ぐための止水ボードは、軽量化されてはいるものの、大きいので1人で運ぶのはかなり厳しいのが現実で、マニュアル通りにいかないことが重なれば大変なことになると警告。「いざという時には1人で背負わなければならない。大阪メトロ任せではなく、都市交通局として駅員の声を聞き、実際に安全が守られているのか、見てほしい」と求めました。
小学校長処分 理解できない
教育こども委員会で井上議員
9月24日の教育こども委員会で井上浩議員は、大阪市の教育行政について提言した木川南小学校(淀川区)の久保敬校長を8月20日付で訓告処分にした問題などについて質問しました。
大阪市の小中学校で4月から5月にかけて行われた「オンライン授業」で学校現場が混乱する中、久保氏は5月に、提言を松井一郎市長らに送付しました。
井上氏は、久保氏の提言を繰り返し読んだとし、「長い教員生活を土台に、真摯(しんし)に現場に向き合うもの」と指摘。その提言を受けて市教委が7月16日付で各校園長に出した教育長名の通知についてただしました。
市教委は、子どもたちの教育や安全・安心の確保などで各学校から建設的な意見や提案を寄せてもらうことなどを依頼したと答弁。井上氏は「(こうした通知を出したのは、久保氏の)提言があったからではないか。なぜ(訓告)処分なのか、理解できない」と強調しました。
また井上氏は、生野区西部地域の学校統廃合計画を巡り、立ち止まって緊急に話し合いを求める陳情が、19ある連合町会のうち過去最多の11連合町会長の連名で出されていると指摘。「市民に向き合うかどうか、行政の姿勢の根幹が問われている」と力説しました。
淀川左岸線2期は情報公開を
建設港湾委員会で寺戸議員
9月27日の建設港湾委員会で寺戸月美議員は、建設工事中の高速道路、淀川左岸線2期事業(此花区・海老江ジャンクション~北区・豊崎ジャンクション 約4・4㌔㍍)について質問しました。
同事業は大阪市の街路事業と阪神高速道路株式会社の合併施行。淀川左岸堤防と一体にコンクリート構造物を並べた高速道路を造るという、世界的にも例のない開発です。
市は25年の大阪・関西万博の会場予定地の夢洲と新大阪などを結ぶシャトルバスを運行するため、供用開始を26年度末から24年度末に前倒しして事業を推進。昨年秋のマスコミ報道で土壌汚染対策に伴う費用の増大などで事業費が当初の1162億円から約750億円増えることも明らかになりました。
寺戸氏は、工事現場では基準値を超えるヒ素やフッ素などが見つかり、搬出作業が始まっているのに住民への説明がなかったと指摘。17年度には自然由来の土壌汚染が事業区間の全体にあることを確認していたのに、処分に伴う事業費の増加が公表されたのは昨年11月半ばだったとし、「万博に間に合わせようと工事を前倒しで進めているのは明白。情報公開をしっかりして、住民への説明はより丁寧に行うべき」と求めました。
業者婦人の地位向上へ支援を
市政改革委員会で長岡議員
9月24日の市政改革委員会で長岡ゆりこ議員は、業者婦人の地位向上に向けた実態調査や支援策の実施などを求めて質問しました。
長岡氏は、自営業者と共に働く家族従業者の8割が女性で、大半が夫婦経営だと指摘。ところが女性は取引先との関係や銀行から融資を受ける場合、申請手続きなど行政との関係で「下に見られる」など、「女性であるがゆえの不利益」を受ける実態があることを、当事者たちの声も交えて示しました。
市の「企業における女性の活躍推進に関する調査」は小規模事業者からも回答を得ているが、従業員の規模別に問題を把握する集計結果になっていないなどの問題点を挙げ、「女性事業主や一人親方、フリーランスの女性、労働者の女性などの声を直接つかむ調査に取り組んでほしい」と提案しました。
さらに長岡氏は、女性事業主への女性差別やハラスメントの対策を要望。コロナ禍で特に女性が就労や生活で苦しい思いをしている中、クレオ大阪女性総合センターにある相談窓口の周知徹底や、行政からの積極的な啓発など「当事者に丁寧に向き合い、対策を強化してほしい」と求めました。
(大阪民主新報、2021年10月3日号より)