おおさかナウ

2021年10月09日

ワクチンの追加接種と一体に大規模、頻回、
無料のPCR検査に舵を切れ
日本共産党府新型コロナ関連対策本部本部長 辰巳孝太郎

 

 9月末で緊急事態宣言が解除されたことを受け、日本共産党大阪府委員会の辰巳孝太郎新型コロナ関連対策本部本部長から寄せられたコメントを紹介します。

ワクチンの追加接種と一体に大規模、頻回、無料のPCR検査に舵を切れ
日本共産党府新型コロナ関連対策本部本部長 辰巳孝太郎

 9月末で緊急事態宣言が解除されました。1500人を超えるコロナ死者を招いた第4波の直前に解除された緊急事態宣言の解除時の新規感染者(7日間平均)は72・3人でしたが、今回は305人であり、十分に感染が下がり切る前の解除です。
 6月21日に3度目の緊急事態宣言が解除されまん延防止措置に移行した際には、8月2日に4度目の緊急事態宣言が発出されるまで、人流が大幅に増え続け、8月の感染爆発を招きました。
 今回はまん延防止措置の適用も見送られました。大阪府から感染防止認証を受けた店舗では酒類の提供も始まり人流の増加は避けられません。十分な対策なしには、またもや感染爆発を招く恐れがあります。

大規模検査の実施を     

 現在、PCR検査数は8月ピーク時の7割に落ち込んでいます。新規感染者が下火になった今こそ、感染の伝播を断ち切るための大量検査を行うべきです。また感染拡大の兆候が見られる地域には、一斉の検査を行うことも必要です。
 寝屋川市では、教職員、保育士、学童保育、放課後デイの関係者などを対象に、2週間に1度のPCR検査を行い、無症状感染者の発見に努めています。
 ところが、最大の感染源となっている大阪市の松井市長は、検査拡大に背を向けたままです。吉村知事も検査拡大には極めて消極的です。知事は「第6波は必ず来る」などと言っていますが、「波」を起こさせないのが政治の仕事です。
 ワクチン接種後にも感染する「ブレークスルー感染」も起こっており、ワクチンの追加接種と一体に、今度こそ大規模、頻回、無料のPCR検査に舵を切るべきです。

保健所体制の抜本的な強化を 

 大阪市の保健所で働く職員の8月の残業は、その4割超が「過労死ライン」である月80時間を超え、最長は218時間でした。現場の職員の懸命な努力にも関わらず、感染者への連絡は遅れ、疫学調査も制限される事態となりました。大元には職員不足があります。東京都墨田区は人口27万人で100人の担当職員ですが、大阪市は人口275万人で200人。その違いは歴然です。大阪市は、事業の継続性が難しい派遣や非正規ではなく、正規職員を増やして対応すべきです。

補償の遅れただちに解決を  

 吉村知事は連日のようにテレビに出て、好き勝手に喋っています。しかし休業要請や時短営業に応じた飲食店への協力金の遅れは深刻で、国は6月の事務連絡で、「特別の事由なく支給が著しく遅延する都道府県に対しては、今後、国の支援のあり方も含め検討する」と警告しています。飲食店に発行される感染防止認証ゴールドステッカーも、申請に対して1万店舗が認証待ちとなっています。自粛と協力に対する補償の著しい遅れの問題を、府の責任でただちに解決をすべきです。

政治を変えてコロナ対策を  

 2020年度に実施したコロナ対策のうち、府独自の施策の財政支出は全体のわずか0・2%でした。医療機関への減収補填(ほてん)はなく、府独自の施策もありません。
 教育現場では、府立高校の養護教諭が今年度19校で減らされ、単数配置になりました。感染症対策だけではなく、生徒の心のケアを行っている現場の職員を減らしたことに怒りの声が上がっています。コロナ禍でもコスト削減を進め大阪府は331億円の黒字会計でした。
 国政でも維新の会は病床削減、後期高齢者の医療費倍化法も与党と一緒に賛成に回りました。維新政治は科学を無視し命を軽視する自公政治と同列にあります。総選挙ではなんとしても政権交代を実現し、命を守る政治へと転換する必要があります。

(大阪民主新報、2021年10月10日号より)

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