おおさかナウ

2021年11月13日

大阪市議会
「広域一元化条例」は時代に逆行
大都市・税財政制度特別委 井上議員が質問

質問する井上議員=4日、大阪市議会特別委員会室

 大阪市議会の大都市・税財政制度特別委員会が4日開かれ、日本共産党の井上浩議員が、大阪市が持つ都市計画の権限・財源を府に移す「広域一元化条例」について質問しました。
 同条例はことし3月の府市両議会で維新、公明などの賛成多数で可決し、4月1日から施行されました。大阪市を廃止・分割する、いわゆる「大阪都」構想の賛否を問う2度目の住民投票(昨年11月1日投開票)で、再び「大阪市存続」の審判が下ったのは昨年11月1日。松井一郎市長(日本維新の会代表)や維新はこれに背を向け、「二重行政解消」を理由に条例制定に突き進みました。
 井上氏は、かつては広域的な都市計画の決定は都道府県の権限だったが、地方分権が進む中で政令市に移管されてきたと指摘。移管することで都市の成長や広域的なまちづくりに支障が出たことがないのに、今回の条例で都市計画の決定権限をまた府に戻すとした考え方をただしました。
 副首都推進局は、「大阪府がこれまで以上に責任を持って、大阪市域の街づくりに取り組むことが可能になる」と答弁しました。
 井上氏は、「広域優先ということになる。基礎自治の理念に照らして検証する必要がある」と述べました。
 さらに井上氏は、そもそも都市計画法は都市計画決定に当たって都道府県と市町村、国が協議・調整することを定めており、基礎自治体がその地域に責任を持つという点を形骸化してしまうことに、条例の一番の問題点があると強調。「地方分権の理念や趣旨に沿った街づくりが今の時代求められている。住民の意向や意思がちゃんと反映される土壌こそが大事。時代逆行のこの条例は撤回すべきだ」と主張しました。

(大阪民主新報、2021年11月14日号より)

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