9条改憲許すな 草の根から
自民・維新 改憲の大合唱
日本共産党 9条守る運動の先頭に
岸田文雄首相(自民党総裁)が「憲法への自衛隊の明記は、違憲論争に終止符を打つ上で重要」(19日)と発言するなど、改憲に“前のめり”な姿勢を示しています。衆院選(10月31日投開票)で自公与党と、その補完勢力である日本維新の会が衆院で憲法改定の発議に必要な3分の2以上の議席を占め、改憲勢力が危険な動きを加速。憲法9条を巡る情勢が新たな局面に入る中、「9条改憲許すな」「9条生かした平和外交を」と取り組みが強まっています。
改憲に積極的に維新は改憲勢力
衆院選の結果を受けて1日、記者会見した岸田首相は「党是である憲法改正に向け、積極的に取り組んでいく」と述べて以来、自民党や日本維新の会の幹部は改憲の大合唱です。
日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)は2日、来年夏の参院選までに改憲案をまとめ、参院選と同時に国民投票を実施すべきだと発言。自民党の茂木敏充幹事長は4日、憲法改定について「維新も含め、議論していきたい」と語りました。
日本維新の会の吉村洋文副代表(府知事)は7日、フジテレビ系の報道番組に「維新の会は改憲勢力だ」と明言するなど、自民党に改憲推進をあおります。日本維新の会と国民民主党は9日、衆参両院の憲法審査会の定例日開催を与党に求めることを確認しました。
岸田首相は10日の記者会見で、改憲へ「党内の体制を強化する」と表明。これらを受けて自民党は「憲法改正推進本部」を「憲法改正実現本部」に改称し、「憲法改正・国民運動委員会」も新設し、改憲の機運を高める取り組みを進めるとしています。
局面を直視して運動を起こそう
日本共産党の志位和夫委員長は18日の記者会見で「憲法9条改定への大変危険な新局面が生まれている」として総選挙後の動きとして①憲法改定の実現へ体制強化が図られ、国会でも議論の加速を首相が指示する事態②これと同時並行で「敵基地攻撃能力の保有」の検討はじめ自衛隊を海外派兵型の軍隊につくり変え、軍事費を国内総生産(GDP)比で2%にする大軍拡の動き③日本維新の会と国民民主党が「憲法改正議論の加速」で合意――の3点を挙げました。
志位氏は、この新局面を直視し、「9条改憲を許すな」「9条を生かした平和外交を」の一点で、草の根からの大運動を起こそうと呼び掛けるとともに、党として運動の先頭に立つ決意を表明しました。
(大阪民主新報、2021年11月28日号より)