補助金使い急性期病床削減
昨年度に229床 石川府議団長が追及
府議会健康福祉常任委
日本共産党の石川たえ府議は16日の府議会健康福祉常任委員会で、昨年度、コロナ禍で不足した急性期病床を府がさらに229床削減したことを示し、強く批判しました。
国の方針に応じて削減
府は国の病床機能再編支援策にのっとり、病床削減や回復期病床への転換により、急性期病床を減らしています。府は「将来、急性期病床が過剰となるため、病床転換を補助金を活用し支援した」と説明しました。
石川氏は「コロナ禍で病床が足りず、『これ以上の受け入れは不可能』という医療機関にも重症者の受け入れを迫った一方で、急性期病床を補助金を出してまで減らすなどとんでもない」と批判しました。
定期検査も休止の方針
10月1日の緊急事態宣言解除後も、府内の老人ホームや児童施設などでクラスターが発生しています。しかし府は2月から実施してきた高齢者施設の従事者対象の定期検査を、「国の方針から削除された」などとして休止すると述べました。石川氏は「感染防止策を後退させることは許されない」と、休止の見直しを主張しました。
無症状者への検査実施を石川氏は繰り返し求めました。
検査に後ろ向きの姿勢
府は「膨大な検査数になる一方、陽性率が低く、効果は限定的」「感染収束期には検査需要も低い」などと、従来からの後ろ向きな姿勢を崩しませんでした。
石川氏は「国もわずかながら無症状者への検査を言い出した。無症状者を発見する無料検査を、身近な場所で気軽に受けられる体制を構築してこそ、感染押さえ込みと日常生活の回復が両立しうる」と強く求めました。
老人医療助成の復活を
障害のある高齢者などの医療費負担を軽減していた老人医療助成制度は、激変緩和措置が今年3月に終わり廃止されました。府保険医協会の調査では「在宅酸素療法を受けている人が、月1千円から1万450円へ負担が10倍に」「自己負担が数倍に跳ね上がる患者が多数いる。投薬を止めると悪化につながる。なんとか復活できないのか」「コロナ禍で生活が厳しい中、制度廃止はあまりにひどい」などの声が集まりました。
府は「(高齢者の生活支援は)国の社会保障施策全体で検討すべき」と答弁。石川氏は「医療のセーフティーネットの役割が果たせていない。廃止・縮小分は復活し、命を守るべきだ」と強く求めました。
(大阪民主新報、2021年11月28日号より)