府市の開発事業に追随し
市民サービスを切り捨て
「堺市財政危機宣言」と「財政危機脱却プラン(案)」
共産党堺市議団が声明
日本共産党堺市議団は「堺市財政危機宣言」と「財政危機脱却プラン(案)」についての声明をこのほど発表しました。
堺市は今年2月に永藤英機市長が発表した「堺市財政危機宣言」に基づき、10月21日、「財政危機脱却プラン(案)」を公表しました。
声明では、プラン(案)には永藤英機市長が選挙公約に「拡充」を掲げていた、高齢者の外出支援のための「おでかけ応援制度」の「対象年齢見直し」が示されていたことを批判。
その一方で、大阪府市が推進するカジノIR・万博と連携した堺旧港をはじめとしたベイエリアや堺駅周辺の開発事業、新交通システムなどの大型開発、大仙公園敷地内のガス気球事業など、「巨額の税投入を許す『重点投資』の対象になってい」ると指摘しています。
また、「財政危機」と言える指標は、財政構造の弾力性を示す「経常収支比率」の高さ以外にはないと述べた上で、100%を超えた経常収支比率は改善する必要はあるが、「そのためには不要不急の事業を見直すべき」と指摘。「わざわざ『財政危機宣言』などを発出し、市民の不安を煽る必要はなく、十分に改善できる余地があ」ると述べています。
声明では、永藤市長が100%を超えたままでは、「不測の事態や新たな行政課題の対応が難しくなる」と述べていることに対し、「不測の事態」には国が財政補填を行うと指摘。市長が「新たな行政課題」とする財政確保の目的・実相は開発事業であり、「大阪府市が推進する万博・カジノIRに他な」らないとしています。
声明では、重大なのは、「大阪の成長戦略」などとして、「(仮称)新しいまちづくりのグランドデザイン推進本部会議」などの任意の会議体に、「市民不在で巻き込まれていること」だとし、「堺市は維新政治のもと財政自治の重要な部分を放棄しはじめてい」ると指摘。「自治を放棄して、大阪府市の万博・カジノIRなどの開発事業に追随し、その財資源捻出のために市民サービスを切り捨てるような、財政運営を許してはなりません」と述べています。
その上で、「住民福祉の向上」という地方自治体本来の目的を放棄し、人の不幸の上に成り立つカジノIR事業などに堺市をこれ以上巻き込ませるわけにはいかないと強調。市議団として、2023年の府知事選、堺市長選、統一地方選で、幅広い市民と共同の輪を広げ、「住民合意」を重視するまちづくりに全力を挙げると決意を述べています。
(大阪民主新報、2021年11月28日号より)