おおさかナウ

2022年01月29日

大阪にカジノを持ち込ませない
国政ミーティング第2弾
新自由主義を転換して
優しく強い経済社会を

 

 日本共産党の、たつみコータロー前参院議員・大阪選挙区候補がゲストを迎えて焦点の課題を語り合う「国政ミーティング第2弾」が22日、大阪市中央区で開催されました。今回は「ストップカジノ」をテーマに、大門みきし参院議員・比例候補が国会報告し、阪南大学の桜田照雄教授が特別発言しました。中継配信された「ユーチューブ」の再生回数は約1千件に上りました。

たつみ氏・大門氏・桜田氏が発言

 「たつみコータロー国政ミーティング」は月1回ペースで企画され、今回は12月の「憲法を守りいかす」に続いて2回目。党府委員会の渡部結副委員長が司会・コーディネーター役を務めました。
 大門氏、たつみ氏、桜田氏がそれぞれ発言しました。
 国政ミーティングでは、会場からも、「ユーチューブ」視聴者からも多くの意見や質問が寄せられました。

カジノで得をするのは誰なのか

国政ミーティング第2弾で発言する各氏=22日、大阪市中央区内

 「カジノができたら誰が得をするのか?メリットがあるとすれば何か?」との質問に対し、桜田氏は、4300億円もの粗利を想定するカジノ事業計画を示し、カジノ経営者と取引企業、投資会社や天下り関係者など多岐に渡る利害関係者の存在を指摘。大門氏は全体の8割を出資するMGMとオリックスなどの株主は必ずもうかる仕組みだと強調しました。
 カジノの経済効果についてたつみ氏は、「カジノはお金が動くだけで新たな付加価値を生み出すことはない」と指摘。海外カジノを視察調査した結果に触れながら、IRに含まれる観光・商業施設などの経済効果は限定的でIR全体の2割程度に過ぎないとしました。
 大門氏も、「お金が動くだけのゼロサムゲーム(経済理論の1つ)に過ぎず経済効果はゼロ」と指摘。失業や倒産、犯罪、離婚、家庭崩壊など結果的にどれだけの人生を不幸にするかを見れば、「カジノの雇用効果があるなどとはとても言えない問題だ」と述べました。
 桜田氏は巨大な商業地となるIR開発によって大阪キタやミナミはじめ既存の商業地にも影響が及び「築き上げてきた大阪の経済と社会のバランスを崩す結果になりかねない」と指摘しました。
 格差と貧困の拡大などストレス社会の弊害などを背景に女性に広がるギャンブル依存症の課題、依存症の治療費負担の問題点も指摘。韓国のカジノ施設を現地調査した渡部氏も、長期化する患者支援の実状を述べ、ギャンブル依存症対策の課題を紹介しました。

理解できた価値生まないカジノ

 カジノ施設への日本人入場には「マイナンバーカード」が必要とされ、個人情報保護などの課題、さらに防災対策を巡る地盤沈下の問題点なども紹介されました。新自由主義に基づく経済政策の矛盾、カジノ推進の維新政治の問題点も報告されました。
 オンライン視聴者からは、「カジノはお金が動くだけで新しい価値を生まないという問題点が、よく理解できた」「認知・判断力に弱さがある人が、ギャンブルなどから守られる社会になってほしい」「私たちに何ができるのか、これからも一緒に考えていきたい」などの感想がありました。

カジノの経済効果は幻想 大門氏

犯罪行為のカジノ誘致を許すな

 大門氏は「カジノ解禁推進法」(2016年成立)などの違法性を追及した国会論戦を紹介しました。
 大門氏は、政府・法務省が民間賭博を違法としてきた従来見解を突然変更し、「公益性」があるなどの論拠で合法化させた推進側の暴挙を厳しく批判しました。「刑法が禁じる違法性は何ら阻却されていない。犯罪行為のカジノ誘致を許してはならない」と強調しました。
 大門氏は、カジノ誘致に経済効果を期待する論調について「幻想に過ぎない」と述べ、新たな付加価値を生まないカジノの経済効果はゼロだと指摘しました。
 大門氏は、新自由主義経済を転換し、優しく強い経済社会を目指す日本共産党の政策を紹介しました。

売上ターゲットは日本人 たつみ氏

建設前に巨額の税金を投入する

 たつみ氏は、IR(カジノを含む統合型リゾート)開業時期を2029年頃とする大阪府・市の「整備計画案」を取り上げ、巨大ギャンブル施設を建造し、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)の年間入場者1400万人を超える客を想定していると指摘しました。たつみ氏は、「カジノの売上のターゲットは日本人に変わっている。夢洲の土壌汚染対策などで巨額の税金を投じるありさまで、カジノに1円の税金も使わないとの説明も破綻した」と批判しました。
 たつみ氏は、カジノによる社会的損失についてはほとんど議論されておらず、「府民の中に広く問題点を示し、大阪にカジノを持ち込ませないためのたたかいの先頭に立つ決意だ」と語りました。

自治体の仕事は福祉増進 桜田氏

1兆規模の荒唐無稽な巨大開発

 桜田氏は、大阪府・市が実現を目指すIRとカジノ誘致について、「計画されているのは、6400台もの『ゲーム機』が並ぶ巨大パチンコ店のようなもの。日本人客からもうけるためのもので、VIPがテーブルゲームを楽しむ高級リゾートといったイメージとは違う」と指摘しました。
 提案されている国際会議場(延床面積3・7万平方㍍)は需要も乏しく、展示場施設も海外施設と比べて貧弱で、1兆円規模の設備投資というが、カジノを中心とした荒唐無稽な巨大開発でしかないと断じました。
 桜田氏は、地方自治体が行うべき仕事は住民福祉の増進で、「日本人客を当て込んだ賭博ビジネスを、行政が率先して進めることは許されない」と強調しました。

(大阪民主新報、2022年1月30日号より)

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