森友問題
財務省挙げて国会を欺いた
宮本岳志議員 資料開示、証人喚問を要求
日本共産党の宮本岳志衆院議員は1月31日の衆院予算委員会で、森友学園への国有地売却を巡り財務省決裁文書の改ざんを強要され自死した元同省近畿財務局職員の赤木俊夫さんが、改ざんの経過を記録した「赤木ファイル」を取り上げました。
宮本氏は財務省理財局が近畿財務局に送った電子メール(2017年2月16日)に、決裁文書を「議員にはこれは持っていかず」とか「物を出せと言われたら、近畿に探させているけどなかなか…と引き取る」と記されていると指摘。「省を挙げて国会を欺いてきたということだ」と迫りました。
鈴木俊一財務相は、「当時の国会への対応は誠に遺憾であり、深くおわびする」と答弁しました。宮本氏は、メールの最後に「おごります」と書いてあることを示し、「こんなふざけた話から始まって、最後には真面目な国家公務員が命を奪われた」と力を込めました。
岸田文雄首相は「今後とも必要に応じて説明責任を尽くす」と答弁。宮本氏は、このメールに「冨安課長了」とあることから、当時の冨安泰一郎・財務省国有財産企画課長(現デジタル庁戦略・組織グループ長)の証人喚問を求めました。
宮本氏は、財務省本省が近畿財務局に送ったメール(17年2月27日)では、野党議員が要求した資料を与党側に提出したことになっており、「財務省が国会全体のために働く、国民全体の奉仕者ではなく、与党の下請けに成り下がっていた」と指摘しました。
さらに日本共産党の山添拓参院議員の国会質問の答弁準備のため、財務省本省が近畿財務局へ送ったメール(17年3月8日)に言及しました。メールに添付されていた山添氏との「応接録」は「赤木ファイル」になく、財務省が宮本氏に提出した資料もすべてマスキング(覆い隠すこと)されているとし、開示するよう要求しました。
財務省の角田隆理財局長は、応接録は「議員と職員の率直なやり取り」として拒否しました。
宮本氏は、岸田首相らが誠意をもって説明を尽くすと言いながら、再調査もせず、新たに開示した文書もマスキングを外さないと批判。「隠ぺいや改ざんに関わり処分された職員でも、政権を守った者は出世・栄転させている。だから同じような改ざんが繰り返される。岸田政権は、隠ぺい・改ざん体質でも、安倍・菅政権と何ら変わらない」と断じました。
(大阪民主新報、2022年2月6日号より)