夢洲での万博開催立ち止まれ
大阪市議会万博推進特別委 山中議員が力説
大阪湾の埋め立て地、夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)は2025年大阪・関西万博の開催予定地であるとともに、府と大阪市がカジノを核とした統合型リゾート(IR)を誘致しようとしています。4日開かれた大阪市議会万博推進特別委員会で、日本共産党の山中智子議員は、夢洲で明らかになっている問題点を指摘し、夢洲での万博開催は立ち止まるよう求めました。
山中氏は、IR事業に関連して夢洲の土壌汚染対策などで市が790億円を負担することが大問題になり、「万博は大丈夫なのか」との声も出ていると指摘。「万博用地についても対策を取るべきだ」とただしました。
万博推進局は、万博の建設工事で発生した土砂は、夢洲の島内で適切に管理・処分するので、土壌汚染の影響はないと説明。液状化対策も不要だと答えました。
山中氏は、万博終了後には土壌汚染対策などを行うことになっているとし、「夢洲で本当にやりたいのはカジノ・IRだが、カジノのためにインフラ整備をするとは言えないから、無理やり万博をすることにしたのが本当のところだ」と反論。「カジノには市民の反対の声も強い。カジノ・IRとセットの夢洲での万博開催は見直すべきだ」と主張しました。
さらに夢洲での万博開催はコロナ前に決めたことだと指摘。新型コロナの収束や、3年後の万博開催まで市民の暮らしの行方は見通せないとし、「コロナ前に決めたことをそのままやろうとするのは、市民の命と暮らしに寄り添うべき自治体のやることではない」と強調しました。
万博推進局は答弁で、「万博協会とも連携し、成功のために取り組む」などと繰り返しました。山中氏は、夢洲開催の困難さも具体的に見えてきている中、このまま進めるべきではないと重ねて主張。「やるべきかどうか」を問うアンケートを行うなど、市民の声を聞くべきだと述べました。
(大阪民主新報、2022年2月13日号より)