気候危機打開へ目標引き上げよ
大阪市議会環境対策特別 長岡議員が要求
大阪市議会環境対策特別委員会が2日開かれ、日本共産党の長岡ゆりこ議員は、気候危機打開に向けた市の対策などについて質問しました。
市は2021年3月に「地球温暖化対策実行計画(区域政策編)」を策定し、50年までに大阪市域の温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指しています。30年度までの削減目標は30%。基準年度は国の方針に準じた13年度比です。
長岡氏は、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPPC)の特別報告書が明記した30年度までに、10年度比で45%の削減を達成する必要があると強調。基準年を13年度としても概算で54%は削減する必要があることを示し、市の環境審議会で検討される新たな削減目標にも反映するよう求めました。
気候危機を打開する具体的なエネルギー戦略について、原子力発電への依存をやめ、再生可能エネルギーの利用率を高めることが不可欠だと指摘。「思い切った取り組みで、50年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出の実質ゼロ)を必ず実現を」と求めました。
夢洲の豊かな生態系生かせ
長岡氏は、2025年大阪・関西万博が開催される予定の大阪湾の埋め立て地、夢洲(ゆめしま)の環境アセスメントについても質問しました。
夢洲で生息する鳥のうち、ホシハジロは16年に国際自然保護連合(ICUN)のレッドリストに載っている絶滅危惧種だが、アセスメント対象になっていないと指摘。国際的な責任を果たすために「守るべき種」として対応するよう求めました。
長岡氏は、夢洲には絶滅危惧種や希少種を含む多様な生物が生息しているとし、「豊かな生態系を間近に観察してもらうネイチャーツアーを行うなど、観光資源として位置付けるべき」と提案。「カジノよりも、よほど健全で気候危機打開にもなる」と力説しました。
(大阪民主新報、2022年2月13日号より)