堺市議会
おでかけ応援制度再び守る
維新市政の改悪再提案を否決
永藤英機堺市長(大阪維新の会顧問)が、2月市議会に再提案していた「おでかけ応援制度」の「改悪条例案」が、3月24日の市議会本会議で、維新以外の全会派の反対で再び否決されました。
3週間で反対署名1万人余
拡充公約しながら削減案を
堺市の「おでかけ応援制度」は、高齢者の外出を支援し、公共交通の利用を促進することを目的として、満65歳以上の堺市民が市内の路線バス(南海バス、南海ウイングバス金岡、近鉄バス)や阪堺電車を1乗車100円で利用できる制度。永藤市長は19年の市長選挙で制度拡充を公約したにもかかわらず、昨年、対象年齢を65歳以上から70歳以上に引き上げる改悪条例案を提案しました。
市民から、公約違反との声と共に制度改悪反対の声が広がる中、昨年12月議会ではどの議員からも、この制度が、高齢者施策としての効果にとどまらず、地域経済への波及効果やバス路線維持効果など社会的効果が大きいことが指摘され、維新以外の議員の反対で否決されました。
それからわずか1カ月余りの2月7日、永藤市長は3月議会に改悪条例案を再提案。住民税非課税世帯は制度の対象に残しながらも、全体の約70%に当たる65歳~70歳を「対象から外す」というものでした。
勝つまでジャンケンなのか
また今回の再提案が、市議会への陳情請願の締切日を過ぎて行われたことや、所得階層別の歩数を男性の数字しか使わないなど、根拠資料のずさんさなども指摘されていて、市民から「勝つまでジャンケンか」など怒りの声が寄せられていました。
再提案から3週間余りの短期間に、市内全駅宣伝や市役所周辺での大宣伝が繰り広げられ、前回の1・7倍を超える1万筆以上の署名が寄せられました。
制度改悪の再提案が再び否決されことを受けて、「堺市のバス・公共交通を考える会」は3月24日、声明を発表。「文字通り、市民共同の力が永藤市長(維新)の改悪『再提案』を跳ね返した」とした上で、財政収支が大幅に改善しているにもかかわらず、昨年2月、永藤市長が「堺市財政危機宣言」を発したことについて、「財政問題をもてあそぶものであり、断じて許されない」と厳しく批判。宣言を撤回すべきだとしています。
(大阪民主新報、2022年4月3日号より)