安倍氏「国葬」中止を 〝心の動員〟やめて
各地で宣伝・申し入れ 広がる反対の声
政府が安倍晋三元首相の「国葬」を9月27日に行うことを閣議決定したことに対して、反対の声が広がり、大阪でも「国葬」反対の宣伝や申し入れ行動などが各地で行われています。
総がかり行動実行委
おおさか総がかり行動実行委員会は19日、大阪市都島区の京橋駅前で、岸田内閣が7月22日に閣議決定した安倍晋三元首相の「国葬」中止を求めるスタンディングを行いました。
各地から60人が参加して、「私の心を動員しないで」「弔意の強要やめて」などと書かれたプラカードや横断幕を掲げて抗議の意思をアピール。通行人らが次々と「国葬」中止を求める署名に協力していました。
強引おかしい なぜ税金使う
署名した高校生は、「多くの国民が疑問に思っているのに、強引に進めるのはおかしい。『反対』と意思表示したいと思っていました」と語りました。会社員の女性(40代)は、「政治信条の異なる1人の政治家の葬儀に、なぜ国民全体の税金が投じられるのか」と怒りました。自営業の男性(60代)は、「円安・物価高で営業は厳しい。もっと他に税金を使うところがあるやろ」と語っていました。
医療機関で働く看護師の女性は、「7月の参院選で当選した元アイドルの女性議員が統一協会関連施設を訪問していたと聞き、このままではこの国の民主主義は終わりやと危機感を覚えます」と語りました。
各メディアの世論調査で内閣支持率が急落し国葬反対が過半数の結果が出る中、「内閣改造で狙った〝火消し〟が完全に裏目に出ているのでは」との声や、「国葬という発想そのものが岸田首相の点数稼ぎやったと思うけど、完全に国民の気持ちは離れていますよ。空気を読んで国葬中止を決めてほしい」と語りました。「いまやるべきは自民党と統一協会との癒着の解明です」「やるなら自民党と統一協会の合同葬にしてほしい」などの意見もありました。
弔意強制しないで
大阪自治労連 吉村知 事に要請
大阪自治体労働組合総連合(有田洋明委員長)と大阪衛星都市職員労働組合連合会(荒田功委員長)は19日、大阪府庁を訪れて、故安倍晋三元首相の「国葬」に反対し強制しないことを求める吉村洋文府知事宛ての連名要請書を提出しました。
要請書は、岸田内閣が決めた「国葬」には何ら法的根拠がなく、憲法が定める「思想・信条の自由」「内心の自由」「政教分離」「国民主権」などの原則に反すると指摘。費用の全額国負担は国民に対する「弔意の強制」につながりかねないとし、憲法を尊重擁護し、一般家庭や自治体職員、教育現場への強制をしないよう求めています。
申し入れでは、官公庁や学校現場への半旗掲揚、一般家庭の行動自粛や、住民への黙とう要請などが想定されるとし、憲法19条が定める「個人の内心の自由」を侵しかねない重大な問題だと指摘。大阪自治労連の尾崎一美副委員長は、「憲法が保障する思想・信条の自由が侵されることがないよう、弔意の強制をしないでください」と述べました。
(大阪民主新報、2022年8月28日号より)