2022年09月03日
山下よしきのあったかエッセイ
格別の貴重な時間
若い頃からお世話になってきた地元の理髪店。数年前に店主(パパさん)が亡くなってからも、一緒に店を切り盛りしてきたママさんが予約制で続けています。先日久しぶりに髪を切ってもらいました。互いの近況報告が終わるとママさんが口火を切ります。
「政治家ってなんであんなにふてぶてしいの?」
統一協会の会合に(しかも海外の!)出席しあいさつながら、「記録もないし記憶もないが、報道を見る限り出席したと考えるのが自然だ」と、まるで他人事のような会見を繰り返す某大臣の態度に怒り心頭のご様子。
私も、日本の民主主義の根幹にかかわる問題なのに、国会も開かず逃げ切ろうとしている政権と自民党の姿勢を批判、「どうせ国民はすぐ忘れるやろうと、高を括ってるんやと思います」と応じました。
ママさんの怒りのボルテージは上がり、「そんなん絶対忘れへんわ。野党がんばって」。
了解です。じつは、パパさんも政治談議が大好きで他にお客さんがいなければ、「ところでアレどうなってんの?」と政治への不満と疑問をぶつけ、よくボヤいてくれました。東京で時々利用する「10分カット」の理髪店にはこうした会話はありません。忙しい人にとっては便利ですが、お店のなかはシーンと静かです。
古いお付き合いの理髪店で髪を切ってもらい、頭を洗ってもらいながら、よもやま話に花が咲くというのは、いまや格別の貴重な時間なのかもしれないと実感したのでした。(やました・よしき 日本共産党参院議員 次回は10月2日付に掲載)
(大阪民主新報、2022年9月4日号より)