維新との新たなたたかいに臨む構え
日本共産党府委員会副委員長 中村正男
8月25日、26日の両日、日本共産党大阪府委員会は「大阪府政対策会議」「大阪市政対策会議」を開きました。この会議で、私から、「維新との闘いの構えをどうきずくか」について、3つの点を問題提起しました。
第1は、総選挙以来続く野党共闘とわが党にたいする激しい攻撃、ウクライナ問題をめぐる攻撃という「二重の大逆流」(日本共産党第6回中央委員会総会)のなかでも、〝維新の大阪〟は、その一つの「震源地」となっており、大阪の党にはこれを打ち破る強い覚悟が求められていることです。松井氏を先頭に、維新は「野党共闘は野合」などと「共闘つぶし」に狂奔し、ウクライナ問題では「核兵器共有」まで叫んで自公政権と一体になって、「9条攻撃」「共産党攻撃」に躍起です。
第2は、同時に、維新の前途は洋々とひらけているのか。その基盤は盤石でとはいえません。
――「国葬」「統一協会問題」で、これだけの批判が岸田政権と自民党を覆っているのに、維新はこの問題で政権をまともに批判できず、「統一協会」問題では、馬場代表らが深い関係にあることが明るみにでています。
――「大阪の成長戦略の切り札」としたはずの「カジノ大阪誘致」問題では、参院選ではダンマリの一手。「住民投票」問題では、府議会では「問答無用」の態度で府民の声を踏みつぶしました。しかし、府民の怒りの前に、自民党大阪市議団が誘致計画に反対、府議団も大きくゆさぶられ、「カジノ推進派」と府民の政治的力関係は大きく変わりつつあります。
――維新の「代表戦」は注目を集めず、話題といえば、「松井代表が来春、党員もやめると発言」などでした。
「松井代表政界引退」でいえば、「橋下退場」に続いて道をつくったのは、2度の大阪市住民投票で「都構想NO!」をつきつけたことでした。さまざまな困難な局面はあります。10年越しの、このたたかいの足場にたって、統一地方選に挑みましょう。
第3は、実践的には、参院選でも提起した「維新支持者への働きかけ」「無党派層への働きかけ」を本流へと広げることです。
私たちが「維新支持者への働きかけ」を提起したのは、①「維新」の本質と「維新支持者」の思いには大きなギャップがあること、②維新支持者のみなさんの多くは「いまの政治を変えてほしい」という願いが根底にあり、客観的には私たちと相通ずる基盤があること、③無党派層は、「維新には引きずられない層」であり、政治課題への態度ではわが党と多くの共通点があること、から提起したものです。
このとりくみの成否に、国政でも、統一地方選でも、わが党の躍進がかかることを肝に銘じたいと思います。
府政・市政対策会議では、問題提起にこたえ、「『二重の大逆流』のなかで、維新が果たしている役割の大きさは、そのとおり。大阪でのたたかいこそ求められる」「府委員会の提起は、わかりやすく受け止められている。〝天敵〟のように『もっと維新の批判を』という声はあるが、批判だけではこちらに獲得できない。維新支持者の思いにそっての訴えが大事と実感している」などの討論を交わしました。
ぜひ「特別期間」のなかで、すべての支部が維新との新たなたたかいを正面にすえた議論と実践をすすめることをよびかけます。
(大阪民主新報、2022年9月11日号より)