憲法違反の「国葬」に反対
各地で宣伝・集会開く
安倍晋三元首相の「国葬」に反対する声がますます広がり、強行しようとする岸田政権の支持率もさらに低下しています。「国葬」中止を求める宣伝や集いが今週も各地で行われました。
民意無視、憲法19条違反の「国葬」
護憲団体、市民、野党が集会
19日、大阪市北区内で開かれた「国葬」反対大阪集会には300人以上が参加。関西大学法学部の高作正博教授が講演し、護憲団体や市民、野党各党代表らが訴えました。集会は、5つの市民団体が主催。おおさか総がかり行動実行委員会が協賛しました。
主催者あいさつで、「しないさせない戦争協力関西ネットワーク」共同代表の中北龍太郎弁護士は、安倍政治賛美の「国葬」を許さず反対世論を広げていこうと呼び掛けました。
講演した高作氏は、岸田内閣が閣議決定で決めた「国葬」の根拠はどれも理由がないと指摘。「首相の在任期間など問題ではなく『負の業績』ばかりだ」とし、諸外国の弔意など「ある意味当然で、あくまでも外交儀礼に過ぎない」と述べました。
高作氏は、1947年に「国葬令」が廃止された経過を示し、「民主主義になじまないと失効した国葬を復活させるには、国会審議が必要」とした上で、予備費を充てるのも重大問題だと批判。「国葬」は憲法19条が保障する内心の自由の侵害に当たると強調しました。
護憲団体が、「民意を無視して『国葬』を強行することこそ、民主主義を破壊するもの」(大阪憲法会議)、「安倍『国葬』を中止させ、平和憲法を守る運動を広げていこう」(戦争させない1000人委員会・おおさか)などと発言しました。
日本共産党の宮本岳志衆院議員は「野党共闘の力で『国葬』を許さず追及していく」と述べ、立憲民主党の辻元清美参院議員は「憲法に規定のない『国葬』強行は法治国家として許されない」、社会民主党の大椿裕子副党首は、「税金を使った『国葬』は法の下の平等を定めた憲法14条違反だ」と強調。れいわ新選組の大石晃子衆院議員がメッセージを寄せました。
集会では、市民運動を広げる各団体のリレートークに続き、宣伝・集会、デモなど最後まで「国葬」反対の取り組みを強めようと呼び掛けられました。
〝疑惑だらけ 絶対に弔意は無理〟
日本共産党女性後援会が宣伝
日本共産党大阪女性後援会は15日、大阪市の京橋駅前で、「憲法違反の安倍元首相の『国葬』アカン!」と緊急抗議宣伝を行いました。シール投票では「反対」75、「賛成」3と、圧倒的多数の人が反対の意思を示しました。
抗議宣伝には31人が参加、「国葬」反対の思いをリレートークしました。「支持もしていない政治家に、国民みんなの税金を使わないで」「コロナで苦しんでいる人や医療や福祉のために税金を使ってください」などとアピール。「国葬」には法的根拠がないことを強調し、国民全体の弔意表明を意味する「国葬」を執り行う権限など、時の内閣にないと批判。「『法の下の平等』と『思想及び良心の自由』を保障する憲法に照らして、絶対に許されるものではない」と訴えました。
シール投票で「反対」に貼った24歳の女性は、「森友事件や桜を見る会など疑惑だらけの元首相に、国として弔意を示すなんて無理」と語りました。
「安倍元首相の『国葬』は、つながりが深かった統一協会の社会的行為を免罪することになるのではないか。絶対に駄目だと思う」との意見や、「統一協会と癒着した自民党の政治によって政治の針路がゆがめられてきたのだと感じる。これ以上憲法の精神や民主主義を壊さないでほしい」との意見もありました。
「東京オリンピックを巡る事件が浮上して、改めて安倍政治が国内政治にもたらした『負の遺産』に暗い気持ちになる」「消費税増税や物価高、社会保障改悪などどんどん暮らしが追い詰められている。無駄な『国葬』ではなく医療や福祉、教育に税金を使うべき」との声も寄せられました。
「国葬」やめよ
西淀川で宣伝
戦争あかん!西淀川実行委員会は19日朝、大阪市西淀川区のJR塚本駅前の商店街入口で、戦争につながる動きと安倍元首相の「国葬」に反対するスタンディング宣伝を行いました=写真。37人が参加し、横断幕やプラスター、手作りプラカードを掲げて買い物客や通行人にアピールしました。
西淀川では、戦争法が国会で議論になった2,015年6月から、ほぼ毎月集会やデモ、宣伝をしてきました。今回は「『国葬』反対」の呼び掛けビラを見て、初めて参加した人もいました。
宣伝では、同実行委員会の門谷充男実行委員長、日本共産党の宮本岳志衆院議員、北山良三元大阪市議らが訴え。憲法違反の「国葬」を多額の税金を使って強行しようとする岸田首相を批判し、憲法を守り生かす政治をと呼び掛けました。
宮本議員は国葬を巡る国会閉会中審査の様子を報告し、「統一協会と関係を断つと言いながら、協会と最も深い関係にあった安倍氏の『国葬』を行うことは矛盾する。問題を議論するためにも臨時国会を直ちに開くべきだ」と訴えました。
(大阪民主新報、2022年9月25日号より)