おおさかナウ

2015年06月09日

みんなの願いを国会へ わたなべ結物語①

 2016年夏の参院選大阪選挙区候補として2月に出馬表明した日本共産党のわたなべ結さん(34)。この間、府内各地を駆け巡り、いっせい地方選勝利と大阪市つぶしの特別区設置住民投票勝利へと奮闘してきました。安倍政権が「戦争する国づくり」と明文改憲の策動を強める中、連日府民の中に飛び込み宣伝・対話活動の先頭に立っています。参院選キャンペーンの一環としてわたなべさんの生い立ちや活動・実績を紹介する連載をスタートします。

未来へ結ぶ平和の願い

 5月下旬午後6時。京橋駅前にりんとした声が響きます。
「2度と戦争をしないと誓った平和憲法を骨抜きにし、人を殺し殺される国に変えてしまう。そんな安保法制を絶対に許すことはできません」
 道行く人を真剣なまなざしで追いかけながら訴える結さん。戦争と平和について語る言葉は、次第に熱を帯びていきます。
「日本が起こした侵略戦争の痛苦の反省から生まれた憲法9条を踏みにじる戦争法案に、私は心から怒りを感じます。なんとしても戦争法案を廃案にするために、力を合わせていきましょう」
 政治信条は「一生懸命にコツコツと。絶対にあきらめない生き方を貫く」。
 日本共産党への入党は高校3年生だった18歳の冬。戦前・戦後に反戦平和を貫いた歴史と活動に共感し、党員の道を選択しました。
 そんな平和を願う結さんの原点は、両親から贈られた結(ゆい)の名前にも込められています。

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「大阪守れ!」と若者が呼び掛けたサウンドデモに参加したわたなべさん=5月16日、大阪市中央区内

「命名 結」

 1981年2月26日。この年一番の寒気で冷え込んだこの日午後、住吉区内の産院で結さんは産まれました。
 気道に水が入ったためか出産直後はむせていましたが、看護師さんの処置を受け、すぐに「オギャー」と元気な泣き声を上げました。
 「あぁ良かった!」
 ほっと胸をなでおろした母親は、まだ濡れていた小さな赤ちゃんの頭にそっと手を置きました。そして育児ノートにこう記したのです。
 「とても愛おしい」
 漢字1文字、「糸偏」の名前がいいねと決めていた両親は、辞書を引きながら相談しました。
 そして1週間後。眼下を南海電車がひっきりなしに走り抜ける住吉大社近くのマンションで、すやすやと寝息が聞こえる部屋に「命名 結」の筆書きが飾られました。
 「仲間と手をつなぎどんな困難も乗り越える、そんな人間に育ってほしい。そして大切なものを未来につないでいってほしい」

誇りある生き方を

 結さんが以前、母親にもらった絵本『子どもにつたえる日本国憲法』の前書きで、著者の井上ひさしさんが、『2度と武器では戦わない』と誓った戦後の新しい憲法の覚悟について、次のように書いていました。
 「…これは途方もない生き方ではないか。勇気のいる生き方ではないか。日本刀をかざして敵陣に斬り込むより、ずっと雄々しい生き方ではないか、度胸もいるし、知恵もいる…」
 京橋駅前の演説で、結さんがこう演説を結びました。
 「日本国憲法が示した生き方のように、勇気を出して、暴力を振りかざすのではなく、対話でつながって声を上げ続ける。そうした『とてもむずかしいけれど、人として誇らしい生き方』を貫く国民の不断の努力によって、憲法がより身近で生きたものになり輝いていくのだと思います。多くの皆さんと力を合わせ、憲法を守り抜き、その憲法を手に、国民が主人公の新しい社会をつくるために生かしていきたい」

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