統一協会問題
〝24年、誰にも言えなかった〟
集団結婚寸前で脱会 元信者が実態告発
「24年間、誰にも言えなかった私の経験を伝えることで、反社会的な活動を続ける統一協会がなくなるよう願っています」。統一協会信者として集団結婚式準備の訪韓旅行に参加し、その後自主的に脱会したヒロミさん(56)=仮名=が、訪問販売による信者の接触やマインドコントロールの実態、献金要求などの被害実態を証言しました。日本共産党の辰巳孝太郎元参院議員が4日、岸和田市内で聞き取りをしました。
「幸せになりたいと思いませんか?」。1998年夏ごろ、訪問販売で日用品を何度か購入したヒロミさんに、女性の販売スタッフはそう声を掛けて、ビデオセンターに連れて行きました。
姓名判断では「先祖がいっぱい罪を犯している」と脅され、「あなたが罪を償いなさい」との求めに応じて約20万円を献金。「宗教」とは一切説明されず、統一協会関連組織の「世界平和女性連合」を名乗る人たちに、教会のような場所に案内されました。そこで午前10時から午後3時頃まで、講義と称して「原理講論」を信じ込ませるマインドコントロールの日々が続きました。
ネックレスなどの貴金属も購入し、被害総額は約30万円に上ります。
ヒロミさんは同年秋ごろ、「祝福(集団結婚)」行事の準備と知らされず、信者と共に韓国を訪問。大型バスで丘の上にある巨大施設に、数百人の日本人女性が連れて行かれ、教祖・文鮮明の講話を聴きました。
この時、「祝福」相手の韓国人信者の母親と面会し、初めて集団結婚式の予行に来たと分かりました。その後「祝福」を受けるため130万円の献金が必要だと言われましたが、これを拒否して自主的に脱会。「あの時、統一協会をやめて本当に良かった。今は普通の暮らしの中に生きがいを見つけている。皆さんに統一協会の実態を知ってほしいと思う」と語りました。
(大阪民主新報、2022年10月16日号より)