おおさかナウ

2022年10月15日

淀川左岸線2期事業
総事業費2.5倍に 完成8年遅れも
問われる維新市政の責任

 建設中の高速道路「淀川左岸線」の2期事業の事業費が当初から異常に上振れし、完成時期も大幅に遅れることが問題になっています。同事業は、2025年の大阪・関西万博の開催予定地で、維新の府・市政がカジノを核とする統合型リゾート(IR)の誘致を狙う大阪湾の埋め立て地、夢洲(ゆめしま)へのアクセス道路とされているもの。事業主体の一つである大阪市の松井一郎市長(日本維新の会顧問)の責任と対応が問われています。

大阪市福島区内の淀川左岸線2期工事の沿道で生じた被害の一例。(長岡議員の提出資料より

万博に向けて事業急いだが

 2期事業(大阪市此花区・海老江ジャンクション~北区・豊崎インターチェンジ、約4・4㌔㍍)は2018年に着工しました。大阪市の街路事業と阪神高速道路株式会社の合併施工で、当初の事業費は約1162億円。負担割合は国が55%、大阪市が45%です。
 当初の供用開始予定は27年春。ところが松井市長は大阪・関西万博の期間中に、夢洲と新大阪方面を結ぶシャトルバスの専用道路として先行利用するため、開通を2年前倒しすると表明。工事を急いでいました。

2回にわたり事業費上振れ

新十三大橋の南詰(大阪市北区)から見た淀川左岸線2期事業の工事現場

 20年秋、工事現場で判明した土壌汚染の対策などのために、事業費が約756億円増えることが判明。松井市長は当時、「コスト縮減に努めながら整備を進める」としていました。
 昨年9月には、軟弱地盤の改良工事が行なわれていた大阪市北区内の工区で、近隣住宅の敷地にひび割れなどが発生。市は、工法を変更するために事業費がさらに1千億円増えるとの見通しを明らかにしました。総事業費は当初の2・5倍、約2900億円に上ります。
 さらに今夏には全線開通が、当初の計画から最大8年遅れることも判明しました。それでも市は、万博用のシャトルバスを走らせる仮設道路を造る計画で、その費用は数十億円ともいわれています。

(大阪民主新報、2022年10月16日号より)

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