急性期病床を削減するな
府議会健康福祉常任委 石川府議団長が要求
府議会都市住宅常任委 うち海府議が追及
日本共産党の石川たえ府議は20日の府議会健康福祉常任委員会で、「コロナ感染で全国最多の死者を出している大阪が、急性期病床削減の先陣を切るべきではない」と吉村洋文知事に迫りました。
国は消費税を財源に、急性期病床の削減や回復期病床への転換を進めています。大阪府はコロナ下の2020~21年度で急性期を含む544床を削減・転換。今年度も934床を計画しています。
吉村知事は過去5年間で急性期患者が約2割減少したとし、「急性期病床は不足していない」と述べ、病床減らしを「引き続き推進する」と応じました。
府内の急性期病床の稼働率は、コロナ禍の前までは78%前後で推移していました。ところが2020年度は75・7%、昨年度は68・1%にまで落ちています。
これについて石川氏は①コロナ患者を受け入れるために空床にしている病床がある、②大阪では高齢のコロナ患者を入院させずに介護施設に留め置くなど、入院できる患者を制限してきた、③元々、患者がひんぱんに入れ替わる急性期病床の稼働率は低く、国のガイドラインでも、回復期の90%に比べ急性期は78%と低いと指摘しました。
「病床は全く余っていない。入院できない高齢者がたくさんいる」と石川氏は指摘し、「今年度の934床は凍結すべき」と強く主張しました。
保健所職員の増員行え
石川氏はまた、保健所逼迫の解消のために職員の増員を求めました。吉村知事は「適正な体制を確保してきた」と応じました。
石川氏は「保健師は、心も体も家族関係もボロボロになっている。適正配置になっていない」と指摘しました。
石川氏は、府の要請に応じてコロナ患者をケアした介護施設職員に、医療従事者と同じような手当を支給すべきと指摘しました。また大阪のコロナ対策を支える福祉労働者について、賃金水準を全産業平均に近づけるため、府が賃金引き上げ制度を創設するよう提案しました。
吉村知事は「国の責任で」、「国に要望する」などと述べるにとどまりました。
(大阪民主新報、2022年10月30日号より)