『時代をつないで大阪の日本共産党物語』
出版に寄せて
第33話「中国の干渉とのたたかい」に登場 今橋巳佐子さん
56年前、日本国際貿易促進協会関西本部――当時のソ連・中国との貿易を進める仕事をしていました。働きがいのある温かい雰囲気の職場で、私は一番若く、かわいがってもらってました。それだけに、職場会議で「中国の文化大革命を支持しないと仕事をしていけない」という話が出た時、「なんでそんなことになるの?」と思いました。
職場には1949年の中国革命を体験し、毛沢東を神様のように思う人もいました。同僚だった竹馬稔さん(故人・元大阪安保事務局長)は解雇したが、私は嫌がらせをすれば、いたたまれなくなるだろうと判断したようです。
毛沢東選集を読むことを強制させられ、「感想を書け」と言われ、正直に自分の考えを書いたら、途端に上司の形相が変わり、「何を勉強してきたんや!」と怒鳴り散らす、態度が180度変わりました。
不当差別・解雇撤回を求めて提訴した時、石川元也弁護士に担当してもらいました。「あんなとこ2度と行かれへん」と思っていたのに、石川さんからは「明日から行かへんかったら、あんたが勝手に辞めたことになるんやで」と言われ、眠れないし、食べられないし、胸に鉛を抱えたような状況でした。
所長が「文革」派になってしまった日中旅行社の社員と共に、4人で党支部をつくりました。「あの人らがおかしいことは分かるが、いつまで続くのか」と暗闇でもがいているような状況で、理論的裏付けが欲しかった。だから、党創立100周年記念講演でも出てきた「4・29論文」などはむさぼるように読みました。「よく出してくれた」と砂漠に水が染み込むように理解し、侃々諤々の議論をしました。
今、もし当時の文革派の人に「自分の言動は正しかったと思うか」と聞いたらどんな答えが返ってくるかなと思います。100年の輝かしい党の歴史の中に、ちょっとでも足跡を残せたことがうれしいです。(9月24日の「時代をつないで」出版記念会でのスピーチより)
(大阪民主新報、2022年10月30日号より)