おおさかナウ

2022年11月05日

山下よしきのあったかエッセイ
夢洲と有害物質PCB

山下よしき氏

 カジノ追及の第一人者である大門さんとコータローさんを国会に戻すことができず残念な思いが募るとともに、党国会議員団がチームワークでこの問題にあたらねばと決意を新たにしています。
 幸い私は参院環境委員会に所属しているので、IR・カジノ誘致が予定されている「夢洲」の環境問題を取り上げようと準備中です。
 「夢洲」が浮かぶ大阪湾には、淀川はじめ数々の川が流れ込んでいます。その一つ、安治川筋の河口部には、かつて「西六社」と呼ばれた住友電工、住友金属、住友化学、日立造船、汽車製造、大阪ガスの工場がひしめいていました。木津川筋にも三井造船、名村造船などの工場が立ち並んでいました。
 高度経済成長期、大阪湾はこれらの工場からの廃液で変色して悪臭を放ち、汚泥はヘドロ化します。その工場廃液が混ざった大阪湾の「浚渫土砂」の「処分場」として埋め立てられたのが「夢洲」です。
 調べてみて驚いたのは、大阪湾の底質から「発がん性」「難分解性」「生物蓄積性」のある有害物質PCBが高濃度で長期間にわたり検出されていること、その「浚渫土砂」で埋め立てられた「夢洲3区」では、まともな土壌調査が行われず、PCBが「浄化」されずにIR施設が整備されようとしていることです。
 国際条約で「廃絶」対象となっている有害物質をそのままにして、年間2千万人が訪れる施設をつくることが果たして許されるのか。認定審査の重要なポイントです。(やました・よしき 日本共産党参院議員 次回は12月4日付に掲載)

(大阪民主新報、2022年11月6日号より)

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