大阪の未来にカジノは要らない
大阪府知事選(3月23日告示・4月9日投開票)
たつみコータロー氏が出馬表明
命と暮らし最優先の府政に転換
日本共産党も参加する明るい民主大阪府政をつくる会(明るい会)が7日、大阪市北区内で記者会見を開き、3月23日告示・4月9日投開票の大阪府知事選に、同党元参院議員の、たつみコータロー氏(46)を無所属の候補者として擁立すると発表しました。たつみ氏は、明るい会の有田洋明事務局長と、知事選に当たっての確認書(2面に全文)に調印し、立候補を表明。同選挙には、大阪維新の会代表の吉村洋文知事(47)が再選へ出馬表明しています。
明るい会と確認書調印
明るい会が知事選で独自候補を擁立するのは、2011年の知事・大阪市長のダブル選以来、12年ぶり。
たつみ氏は、維新の吉村府政がまともなコロナ対策を取らない一方で、カジノ誘致に暴走していると指摘。「大阪の未来、大阪の子どもたちにカジノは要らないということを、この間、ずっと訴えてきた」とし、「カジノに突き進むのではなく、府民の命を守るためのコロナ対策を最優先にする政治を進めたい」と表明しました。
たつみ氏は、記者団からの質問に答えて、参院議員時代から国政の自公政治と対決するとともに、その補完勢力である維新とも一貫してたたかってきたとし、「今回は、正面から維新政治を問い、大阪を変えていけるたたかいだ」と強調。広く保守の立場の人々にも働き掛け、維新政治を転換するたたかいに臨むと決意を語りました。
会見には日本共産党の柳利昭府委員長、石川たえ府議団長も出席しました。
たつみコータロー氏の略歴 1976年生まれ、46歳。2000年、米エマーソン大学映画学科卒。03年、07年、11年の府議選で大阪市此花区選挙区から連続立候補。13年、参院大阪選挙区で初当選(1期)。日本共産党参院国対副委員長、森友・加計疑惑追及チーム責任者など歴任。19年、22年の参院大阪選挙区で次点。現在、党中央委員、党大阪府常任委員。
カジノではなく府民の命を最優先に
維新の暴走 食い止めたい
「明るい会」府知事候補 たつみコータロー氏
明るい民主大阪府政をつくる会が7日、大阪市北区内で開いた記者会見で、大阪府知事選(3月23日告示・4月9日投開票)への立候補を表明した日本共産党元参院議員の、たつみコータロー氏のあいさつ(大要)を紹介します。
本日、明るい民主大阪府政をつくる会の皆さんと確認書に調印し、ことしの春に予定されている府知事選に立候補する決意を固めました。
暴走する維新に居ても立っても
まず、決意に至った私の思いは、いまの維新政治の暴走に居ても立ってもいられない、ということです。コロナによる死者が東京の1・6倍出ているこの大阪で、何よりも必要なのは、府民の命最優先の政治が求められることは、論を待たないと思います。
にもかかわらず、いま維新府政、維新市政が進めようとしているのは、大阪にカジノをつくることです。私は、大阪の未来に、大阪の子どもたちにカジノは要らないということを、この間、ずっと訴えてきました。人の不幸を踏み台にして、大阪の経済の成長はあり得ません。「カジノと一緒に大阪を沈ませるな」と言いたいと思います。
維新政治自身が、ギャンブル依存症にかかっていると言わざるを得ないような政治を止めること。これが私の決意の一つです。そして、大阪は中小企業の街です。この間減らされてきた中小企業支援の予算を拡充していくことが、何よりも求められていると思います。
コロナの対策を最優先に変える
いま一つは、大阪のコロナ対策です。吉村府政は、なぜこれほどまでにコロナの死者が出ているのか、医療崩壊が続いているのか、まともな説明をしていません。
この間、私たちが明らかにしてきたのは、大阪では維新政治の下で、公務員バッシングが続けられ、公務現場に大なたが振るわれました。コロナに対応する保健師の数は、人口比で大阪府は最も少なく、保健所の数も人口比で全国で下から2番目となっています。ここを正さなければなりません。
検査の拡充を、私たちはずっと求めてきました。一定の改善はされましたが、検査への対応が遅れたことで、高齢者施設などで多数のクラスターが出て、救える命が救えなくなってしまいました。このことにも強い危惧を覚えざるを得ません。
国の言いなりになって、急性期病床の削減を進めてきたのも、大阪の維新府政です。カジノに突き進むのではなく、府民の命を守るためのコロナ対策を最優先にする政治を進めたいと思います。
教育現場からの悲痛な声を聞き
そして、大阪の子どもたち、教育の問題です。教育の現場が荒廃していることを、私は実感してきました。教員不足は深刻です。先生になりたいという人が、大阪に来てくれないという悲痛な声を、私は聞いてきました。府立高校がどんどんつぶされています。児童・生徒たちをテストでがんじがらめにするやり方にも、私は異を唱えて正していきたいと思います。
息苦しい大阪を変えていきたい
最後になりますが、この息苦しい大阪を変えていきたい。大本には維新が進めた分断政治があると思います。公務員と一般労働者を分断し、対立させてきました。生活困窮者と、そうではない方を分断し、対立させてきました。
自己責任、受益者負担を押し付け、維新政治に批判的な人たちをつるし上げる政治が、大阪では10年以上続いてきました。私は、そういう大阪の維新政治を終わらせたい。そういう強い思いをもって、この知事選に臨みたいと思います。
大阪の知事に最適任
元府知事候補・熊谷貞俊さん
たつみコータローさんの府知事選出馬表明を受け、大阪大学名誉教授で元府知事候補・元衆院議員の熊谷貞俊さんが辰巳氏への期待を語りました。
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新聞の朝刊でたつみさんの出馬を知りました。たつみさんにはこれまでも何度も会いましたが、国政にも参加しておられて経験も豊富、バランス感覚も持っておられるので、大阪の知事として最適任だと思います。無所属で出られるそうで、他党の皆さんの意見もよく聞いて府政をやられると、大変いい知事になられると思います。
維新の政治にはポリシーやフィロソフィー(哲学)がありません。場当たり的、状況依存的です。選挙スローガンの〝大阪の成長を止めるな〟も、どこに大阪の成長があるのかと言いたい。イソジンの効果を無責任に宣伝した上に、コロナ死者数も罹患率も、全国ワースト1にもかかわらず、吉村知事がコロナで実績を上げたと評価されているのが不思議でしょうがない。
府民の生活向上や安定のための地道な行政を着実に推進するのでなく、合理的な根拠もなく一見見栄えのいい政策を打ち出す。カジノ誘致がその典型です。
大阪は、全国でも成長率はビリに近いのが現状です。中小企業の密集している東大阪の交通インフラの整備、産業支援や子育て世代の生活支援など、やるべきことはいっぱいあるはずです。それなのに、ばくち場をつくれば景気が良くなるという浅はかな看板で府民をだます。言葉は悪いけれど、彼らがやっているのは「たぶらかし政治」です。
「身を切る改革」などで実績があると言いますが、これ以上府民の身を切らないでもらいたい。子どもが笑うどころの話ではなく、先生たちへのいろんな締め付けや競争、競争で大阪の教育は小中高生の学力全国ワースト1位の最悪の状態になっています。
カジノ誘致に代表される維新政治の実態を一つ一つ明らかにして、府民の命、生活、教育を守る大阪にするために、たつみさんに是非とも頑張っていただきたいと思います。
(大阪民主新報、2023年1月15日号より)