新春インタビュー
党の議席の値打ち語り
広げ統一地方選勝利を
日本共産党府委 柳利昭委員長に聞く
2023年を迎えるに当たり、日本共産党大阪府委員会の柳利昭委員長に、22年のたたかいを振り返り、23年どう臨むかを聞きました。
激しい闘い進めた2022年
――新年おめでとうございます。
おめでとうございます。昨年は、党創立100周年の記念すべき年であり、情勢の大激動の下で激しいたたかいを進めた1年でした。
夏の参院選は、前年の総選挙から続く野党共闘破壊と日本共産党への攻撃に加えて、ロシアのウクライナ侵略に乗じた党攻撃と軍事力強化の大合唱という「二重の大逆流」との激しいたたかいになりました。逆流によって総選挙からさらに押し込まれた地点から、全党の大奮闘で押し返していきましたが、選挙結果は残念な後退となりました。
同時に、格差と貧困を広げ、暮らしと経済を壊した自公政権と国民との矛盾は深く、参院選直後から政治の潮目は大きく変化しました。安倍元首相の「国葬」の強行、統一協会と自民党との癒着への国民の怒りが渦巻く中で、わずか1カ月で3人の閣僚が相次いで辞任に追い込まれ、岸田内閣支持率は下がり続けています。
日本共産党は、国会内外で岸田政権を追い詰めるたたかいの先頭に立つとともに、今度は大逆流を押し返し切るところまでやり抜こうと意思統一して、強く大きな党づくりで新しい前進を開始しています。
この中で、志位和夫委員長の党創立100周年記念講演を、全党が学び語るとりくみを重視します。大阪では100周年記念事業として「大阪民主新報」に連載した「時代をつないで 大阪の日本共産党物語」を出版し、好評発売中ですが、記念講演と重ねて学ばれ、大阪の党の不屈のたたかいへの確信を広げています。また、大阪府委員会の新事務所建設も、のべ4万人を超える皆さんの熱いご支援を得て3月に竣工しました。ご協力をいただいたすべての皆さんに改めて感謝を申し上げます。
岸田政権打倒、維新政治転換
――岸田政権打倒、維新政治転換のたたかいがいよいよ重要ですね。
岸田政権は行き詰まりの一方で、「国家安全保障戦略」など安保3文書を年末に閣議決定して、敵基地攻撃能力(「反撃能力」)の保有を明記。軍事費を5年間で総額43兆円に増やす大軍拡、その財源として増税を打ち出しました。
志位委員長が撤回を求める声明で述べたように、安倍政権が安保法制で行った集団的自衛権行使の法整備に続いて、それを担う自衛隊の強化と、それを支える国家総動員体制をつくり上げて、「戦争国家づくり」の暴走をさらに進めるものです。この実行がもたらすものは、①憲法と立憲主義の破壊――「専守防衛」の政府の憲法解釈を180度くつがえす、②平和の破壊――「日本を守る」のではなく戦火を呼び込む、③暮らしの破壊――大軍拡は大増税と社会保障削減の泥沼に落ち込むものです。
この危険な暴走に対して、戦争の心配のないアジアをつくる日本共産党の「外交ビジョン」を対案として掲げ、広く訴えてたたかいます。「戦争か平和か」の歴史的岐路の下で、反戦平和を貫く日本共産党の役割を発揮し、国民的共同を呼び掛け、市民と野党の共闘の再構築を図っていく決意です。
大阪のたたかいでは、維新が「成長戦略」の柱とするIR(カジノ)開設の国の認可を許さない運動が広がっています。国会では山下芳生参院議員が土壌汚染問題を指摘し、大阪市議会では井上浩市議が、誘致予定地の安すぎる賃料と不動産鑑定の不正疑惑を追及して、メディアも「しんぶん赤旗日曜版」のスクープの後追い報道を強めています。カジノストップの40万署名をさらに強めましょう。そして、党の「物価高騰から暮らしと経済を立て直す緊急提案」を掲げて、「カジノよりコロナ対策、暮らしを守れ」の訴えを広げていきましょう。
統一地方選をどうたたかうか
――統一地方選挙が目前に迫りました。
大阪府委員会の政治目標は、大阪府議選で定数9減の下、吹田市と東大阪市の現有2議席を府党組織を挙げた力の集中で絶対に確保し、さらに議席増を目指すこと。定数2減の大阪市議選では4現職区を絶対確保して、交渉会派となる5議席以上に挑戦する。堺市議選では前回の5議席を絶対確保し6議席に挑む。後半戦の17市4町の議員選挙では候補者全員の当選を目指します。
また、同時選となる知事・大阪市長選は、「明るい会」「よくする会」とともに、「カジノより府民の命、暮らし最優先、府民の声で動く政治を」と訴えて、維新政治の転換を目指します。堺市など10市の首長選挙では、市民要求実現の立場で共同を探究します。
統一地方選挙は、2020年の大阪市住民投票の勝利で維新の最大の旗印の「都構想」を許さず、橋下氏に続いて松井氏を「政界引退」に追い込んだ下でのたたかいであり、維新は前回選挙の「大阪の成長を止めるな」などのスローガンは掲げられません。維新をいささかもあなどらず、同時におそれずたたかうことが重要です。
党府議団は、3年間に寄せられた請願136万人分すべての紹介議員になりました。うち9割以上は共産党だけが紹介議員となって、府民の声を議会に届け、コロナ検査体制の強化や中小業者の休業支援金、支援学校新設などを実現してきました。府民とともに府政を動かしてきた府議団のかけがえのない役割をはじめ、各自治体での党の議席の値打ちを語り広げて勝利を目指します。
統一地方選挙は、国政への審判を下すチャンスでもあります。自民・公明の岸田政権による「戦争国家づくり」の危険な暴走を、維新がさらにけしかけています。これを許すのかどうかは地方選挙の大きな争点であり、戦前は命懸けで侵略戦争に反対し、9条を生かした平和なアジアにと訴えてきた日本共産党の値打ちを際立たせるものです。
大阪府委員会は、選挙勝利へ年始からダッシュをと、1月6日に「新春のつどい」を開催します。志位委員長の講演で語られる党の値打ちを身につけて、声の宣伝で打って出るとともに、すべての支持者の皆さんに「折り入って作戦」で協力をお願いして、対話と支持拡大を大きく広げていきましょう。
強く大きな党をつくってこそ
――強く大きな党づくりが決定的になりますね。
昨年は、参院選の悔しい後退から出発して、8月から「党創立100周年記念、統一地方選挙勝利・党勢拡大特別期間」に取り組んできました。自治体・行政区ごとの演説会を重ね、全党の力で宣伝と対話に打って出ながら党員と読者拡大を進めて、月を追うごとに入党の働き掛けと入党申し込みを広げてきました。
党員の高齢化など、支部の困難を党員拡大で打開していく立場で、すべての党支部が入党の働き掛けに踏み出すことを重視し、大阪全体で数千人に訴える取り組みになりました。この中で入党者を迎えて活性化する支部が生まれ、読者拡大も「赤旗」日刊紙・日曜版・大阪民主新報ともに連続前進を続けています。
また、大阪の民青同盟員拡大が102人を迎えて年間目標を超過達成したことは、大きな喜びになっています。党の世代的継承でも、50代以下の党員を迎える努力が強められ、真ん中世代党員の学習交流会を力に同世代に働き掛ける取り組みが始まっています。職場支部でも、現役世代を中心にした「楽しく元気の出る支部会議」を重視して入党の働き掛けに踏み出しています。全地区に青年学生オルグを配置する「大阪わかもの未来基金」にも期待が寄せられ、2地区でオルグが活動を始めています。
同時に、「二重の大逆流」を押し返して次の国政選挙に勝利する上では、第28回党大会で決めた「党員でも読者でも大会比130%の党」をつくることが不可欠です。強く大きな党をつくってこそ、市民と野党の共闘の再構築が図られ、政治を前に動かすことができます。
今年は、次期党大会までにこの目標をやりとげることに正面から挑む年になります。そして目前の統一地方選挙も、この挑戦の中でたたかってこそ勝利できる。その構えをしっかり据えてたたかい抜く決意です。
「大阪民主新報」読者の皆さんのいっそうのご支援を心からお願いいたします。
(大阪民主新報、2023年1月1日・1月8日合併号より)