コロナ禍・物価高で暮らし圧迫
堺・つくる会が市民アンケート 3カ月弱で回答8500件
住みよい堺市をつくる会が「市民のいのち・くらし最優先の堺市政に変えよう あなたの声がいきる堺市政に!」と銘打って市民アンケートビラを発行し、昨年10月から取り組み、ウェブでも公開しました。市民アンケートには昨年12月20日までに、合わせて8427件の回答があり、同会が分析を進めてきました。
政治の無為無策を反映か
要求は子育てや公共交通
6割超がカジノ誘致反対
市民アンケートの設問は選択、自由記述合わせて5つ。
新型コロナ感染拡大以前からの生活の変化では、「よくなった」はわずか1・6%で、約半数の46・8%が「苦しくなった」と回答し、40~50歳代の現役世代が最も高く49・6%でした。
コロナ対策でどんな支援が必要かを自由に記述してもらったところ、5800件に上る意見や要望が寄せられ、無料PCR検査場や発熱外来を増やす、マスク配布、自宅隔離時の物資支援、医療・保健機関・介護施設への支援や、消費税減税、水光熱費引き下げ、収入減や物価高の下での経済的支援、失業と雇用の対策など、命と暮らし支援に関する要望が多くみられたほか、コロナ以前の社会に早く戻してほしいなどの声も少なくありませんでした。
「堺市の行政やまちづくりで力を入れてほしいことは?」の問い(複数回答3つまで)には、「高齢者福祉、障害者福祉の充実」が最も多く約半数の人が選択しました。
続いて多い順から「感染症から市民を守る医療・保健所体制の強化」、「子育て支援や教育環境の充実」、「公共交通機関(電車・バス等)をより使いやすく」を3人に1人以上が選び、「防災・防犯対策の強化」、「地域のコミュニティづくりを支援(子ども食堂、高齢者交流の場など)」、「市内で働ける場所を増やす」と続きました。
「つくる会」では、「これはコロナ禍に加え、物価高騰が市民の暮らしを圧迫する一方、上がらない賃金や物価高騰に対する国の無為無策も影響していると思われる」と分析しています。
同じ設問で年齢別に見ると、10~30代、40~50代は「子育て支援や教育環境の充実」が最多で、60代以上では「高齢者福祉、障害者福祉の充実」を求める声が最も多く、全世代を通して多かったのは、「子育て支援や教育環境の充実」「公共交通機関(電車・バス等)をより使いやすく」でした。
「具体的に望む施策・事業」の自由記述では、「子育て支援を充実」「保育料無償化」(30代以下)、「経済支援」(40~50代)、「バスの本数増」(60代以上)など5200件を超える意見が寄せられ、「堺市の行政やまちづくりへの意見・提案」の自由記述にも5千件近い声が寄せられました。
つくる会では、「アンケートには、厳しい中でも頑張る市民の暮らしや地域を支えるための切実な声や提案が多数寄せられ、堺市が力を入れて進めるべきまちづくりの方向が示されている」としています。
「大阪ですすめられている『カジノ誘致』について」は、「反対」が60・5%、「賛成」が15・5%で、6割以上の人が「反対」。年代別では、10~30代は「反対」46・1%、「賛成」18・1%、40~50代も「反対」が51・1%、「賛成」が20・1%で現役世代も「反対」が多数。
カジノ誘致に「賛成」と答えた人も、「堺市の行政やまちづくりで力を入れてほしいことは?」の回答では、「子育て支援や教育環境の充実」が最も多く、「高齢者福祉、障害者福祉の充実」「公共交通(電車・バス等)をより使いやすく」と続きました。
「つくる会」では、これらの特徴から「大阪府市が強引に進めるカジノIR関連事業で、堺市が利用されてしまうベイエリア開発やインバウンドに過度に期待する施策・事業への税金投入が、カジノIR誘致に淡い期待を寄せている人も含め、市民が切実に求める施策と矛盾することは明らか」と指摘しています。
(大阪民主新報、2023年1月29日号より)