大軍拡・大増税許さない
「安保3文書」撤回求め新署名
憲法会議・共同センターが代表者会議
大阪憲法会議・共同センターは1月28日に大阪市北区内で団体地域代表者会議を開き、岸田内閣による「安保3文書」閣議決定の撤回や、大軍拡・大増税に反対する新たな署名運動(4面に署名用紙)を提起しました。
宮本衆院議員が国会情勢報告
大軍拡の予算は2027年までの5年間で、総額43兆円とされます。行動提起した山田憲治副幹事長は、政府の来年度予算で5年先までの軍事費増額のレールが敷かれる恐れがあると指摘し、「いま力を集中しなければならない」と強調しました。
日本共産党の宮本岳志衆院議員が、国会情勢を報告しました。「安保3文書」により、自衛隊が米軍の指揮下で、アメリカによる先制攻撃に参加する危険が生まれると指摘。「共産党の対案、外交ビジョンを、国会論戦でも示したい」と述べました。
生きたルール ASEANで
宮本氏は「一般メディアは報道しないが、東南アジア諸国連合(ASEAN)の努力をしっかり見る必要がある」と話しました。憲法9条と同じ平和の理念がいま、ASEANで生きたルールとして働いていると指摘しました。
「(ASEANで)50年間も戦争がなかったのは、偶然ではない」と宮本氏。「東南アジアの国々は、アメリカの世界戦略に従いベトナム戦争に参加した。戦後は実にばつが悪く、外交ができない状況に。国は引っ越しできない。だから『もめ事があっても、絶対に隣近所で戦争してはいけない。今後は、どんな大国とも戦争の付き合いはしない』との原理原則が働いている」と語りました。
ASEANはいま、東アジア規模の友好協力条約を展望するASEANインド太平洋構想(AOIP)を提起しています。
宮本氏は「核兵器の禁止も前世紀には夢だったが、いまは国際法としての規範を持っている。『理想論』と言われた理念も、ASEANで生きたルールとして働いている」と力を込め、平和外交の展望を示しました。
全国民を一元的に管理する
宮本氏はまた、大軍拡の行く先に、国民総動員の体制づくりがあると指摘。マイナンバー・カードで個人の持つ国家資格を管理することなどを念頭に、「アメリカと一緒に総力戦体制で戦うために、全国民を一元的に管理できる体制をつくろうという企みがある」と述べました。
「絶対にそうはさせないよう、統一地方選挙でも新しい政治の流れを開きたい。危険な道を食い止めるため、頑張ろう」と、宮本氏は呼び掛けました。
世界第3位の軍事費になる
自由法曹団大阪支部事務局長の辰巳創史弁護士が、「3文書」が想定する大軍拡の中身を解説しました。
10年間の「防衛目標」が設定され、前半の5年間だけで軍事費総額43兆円です。辰巳氏は、後半の5年間にはそこにローン支払いも加わり、さらに膨らむ恐れもあると話しました。また、日本を世界第3位の軍事国家にする大軍拡と、軍事ブロックの強化が、「戦争を近づけることになる」と訴えました。
宣伝・対話を大いに広げて
12団体と14地域から38人が参加し、活動を交流しました。大阪市西淀川区の代表は、区内4駅を周る宣伝や、毎月平均150戸を訪問し、60人前後と対話するという全戸署名、高校生への宣伝、エコ風船にメッセージを添えて飛ばすなど、多彩な取り組みを報告しました。
同市城東区の代表は、学習会やロングラン宣伝などを報告。ある学校近くで宣伝すると、「先生が『ちょうど憲法を学習したところだ』と喜んでいた」と告げられたといいます。
日本共産党の代表は、「『核兵器は抑止力として必要』という学生とも、『外交の力で平和を』と対話できる。平和を願う心は同じだ。大いに宣伝・対話を」と呼び掛け。新婦人府本部の代表は、「署名を持って草の根から対話を広げたい」と決意を述べました。
(大阪民主新報、2023年2月5日号より)