おおさかナウ

2023年03月11日

宮本岳志のよもやま話
陸軍大尉だった祖父のこと

 「戦争か、平和か? 日本の命運を分ける歴史的情勢」の下で戦われる統一地方選挙が刻一刻と近づいています。先日、大阪のある私立中学校で戦争を語る機会がありました。実は私の孫もこの春中学生になり、いわば私は「おじいちゃん」みたいなものです。
 今の中学生のおじいちゃんには「人を殺したことのある人」などいないでしょうが、私の時代は違いました。
 私の祖父は陸軍大尉という階級の軍人で、戦争中は旧満州、中国の東北部におりました。満州での話はほとんど聞いたことがなかったのですが、私が子どもの頃に一度だけ、祖母が「満州の家では床の間にしゃれこうべ(頭蓋骨)を飾っていた」という話をしたのです。
 戦後生まれの世代では「人骨を飾る」というようなことはありえません。私が固まったのを察知したのか、祖母はそれきり「しゃれこうべ」の話はしませんでした。しかし、この話は暗に、「誰かが胴体から頭を斬り離した」ということを示しており、その行為を行ったのは、それを家に飾っていたという人以外にはありえません。
 祖父は、そのような話を一度も語ったことはなく、固く口を閉ざしたまま鬼籍に入りました。可愛い孫にとても語ることのできない体験だったのでしょう。
 いま国会では自民党や維新の議員が「敵基地攻撃」を語り、「核共有」さえ口にします。「新しい戦前」を絶対に許さないために、「反戦・平和を貫いて百年」の党を強く大きくいたしましょう。(みやもと・たけし 日本共産党衆院議員 次回は4月12日号に掲載)

(大阪民主新報、2023年3月12日号より)

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