夢洲カジノ用地
不当賃料 4月提訴へ
市民監査請求「合議不調」に
官製談合の疑い深まる
カジノを核とする統合型リゾート(IR)予定地を大阪市が不当に安い賃料でIR事業者に賃貸しようとしている問題を巡り、大阪市民有志が賃貸契約締結の差し止めを求めた住民監査請求について、市監査委員は意見が一致しなかったとして「合議不調」の結果を通知しました。
適正賃料検討を
監査委員は維新と自民の各大阪市議、民間2人の計4人。「合議不調」となったものの、全員の見解が一致した部分があります。
市がIR用地の不動産鑑定を依頼した4社中3社の鑑定結果が一致している問題を監査委員が調査したところ、鑑定業者2社が、他に市が発注している鑑定業者を「知っている」と答え、そのうち1社は「本市(大阪市)担当者から聞いた」と回答しました。監査委員は「鑑定業者が本来知りうるはずのない他の受注業者を知っていたとすれば、本市職員から聞いたとみるのが自然」と分析しています。
監査結果は、市からの指示や業者間での調整などがあったと認めることまではできないと結論付けましたが、むしろ官製談合の疑いが深まっています。
また監査結果は、監査委員の中には「本件請求には理由があるので措置を勧告すべき」との見解あったとしています。
それによると、今回の鑑定で土地の価値を最大限に引き出す「最有効使用」は「大規模複合商業施設」とされたが、IR事業施設とは収益力などに大きな差があることなどを指摘し、賃料は適正な対価が設定されたものとは認められないと指摘。改めて適正な賃料の検討などを行うよう勧告すべきとしています。
結果通知を受けて請求代表人で、おおさか市民ネットワークの藤永延代代表、カジノに反対する大阪連絡会の荒田功事務局長、中山直和事務局次長が同日記者会見し、差し止めを求めて4月3日に大阪地裁に提訴することを明らかにしました。
(大阪民主新報、2023年3月26日号より)