大阪府知事選が９日投開票日を迎えます。「明るい会」のたつみコータロー候補は告示された３月23日、大阪市の天王寺駅前で聴衆を前に第一声を上げ、「大阪に分断と対立を持ち込んだ維新政治を終わらせて、未来に希望の持てる大阪を皆さんと一緒につくり上げたい」と訴えました。演説の要旨を紹介します。

　維新政治によって大阪に分断と対立が持ち込まれ、公務員と民間労働者、高齢者と現役世代、困窮者とそうでない方の間に対立が持ち込まれました。そんな維新政治を終わらせたくて、大阪に希望を取り戻すために府知事選に立ち上がりました。府民が求めているのは希望です。みんなで連帯し合える大阪につくりかえていきたいと思います。

希望奪うカジノ計画中止

訴える、たつみコータロー府知事候補＝３月23日、大阪市天王区内

　私たち府民の希望を奪ってしまうのが、大阪のカジノ計画ではないでしょうか。カジノはギャンブルです。国内でギャンブル依存症で苦しむ人が３００万人を超えています。〝依存症対策をするからいいだろう〟と吉村知事は討論会でも言っていましたが、そんなに軽い話ではありません。
　依存症は本人だけが苦しむわけでは決してなく、家族の人生まで苦しませてしまいます。依存症の対策をするのであれば、カジノをつくらないことこそが一番の対策なのではないでしょうか。
　カジノによって経済が成長するからいいじゃないかと維新の会は言います。でも地域で使われるはずの庶民のお金がギャンブルに回れば、地域の経済を落ち込ませるのは明白で、ギャンブル・賭博で経済が成長することはありません。
　さらに維新の会は、カジノはＩＲ全体の３％の面積に過ぎず、楽しいエンターテインメント施設がいっぱいあると言います。しかしカジノこそがＩＲ全体の収益の８割をたたき出します。カジノなくしてＩＲの運営は成り立たない、エンターテインメント施設は、カジノに向かわせるための餌でしかないのです。
　維新の会や公明党の皆さんは、カジノの収益で福祉や教育を良くするんだとも言いますが、人の不幸を踏み台にして福祉や教育を良くするというのは、間違っているのではないでしょうか。
　カジノのため土壌汚染の改良だと言って、７９０億円もの公費負担を決めましたが、地盤沈下していけば、さらに負担が増えていくのは目に見えています。福祉や教育の大事な財源をくいつぶしてしまうのが、カジノ計画ではないでしょうか。
　カジノはまだ止められます。昨夏以降、せめて住民投票をと21万人の直接請求署名が集まりました。最後にはんこを押すのは公明党の大臣ですが、統一地方選の前にはんこを押すことができません。
　府民の反対世論は大きく広がっています。４月９日の知事選挙でカジノ計画にとどめを刺すために、私、たつみコータローをどうか勝ち抜かせてください。大阪の未来の子どもたちの希望を奪うカジノはつくらせないとの意思を示そうではありませんか。

命と健康支える大阪府に

　維新政治によって、医療や保健施設など命を守るとりでが脆弱にされてきました。いま大阪でカジノなんてやっている場合ではありません。
　保健所の数は、全国最低レベルまで落ち込みました。千里救急救命センターの補助金などが廃止され、住吉市民病院が、民間でもできるだろうと言って廃止されてしまいました。
　この間、日本共産党府議団の論戦の中で、あれだけ民間病院にコロナ病床を出せ出せと言っていた知事が、なんと補助金までつけて、民間のコロナにも使える急性期病床を何百も減らしていたことが明らかになりました。
　私が知事になれば、府民の命を守るために、絶対に必要な急性期ベッドを減らすような施策はやめさせます。
　そして府内各地に保健所をつくり、そこで働く保健師さんを増やして、府民の命を守る府政を取り戻します。どうかその仕事を私にさせてください。

暮らし中小事業者を守る

　物価高騰が暮らしを圧迫しています。とりわけ電気、ガス、水道の料金が高くて苦しんでいる中小零細企業がたくさんあります。これだけ光熱費が上がっている背景には、エネルギーのほとんどを輸入に依存していることがあります。
　２０５０年カーボンニュートラル達成に向けて、国・大阪府が十分な対策をやっているとは言えません。皆さんお住まいの地域でも、太陽光パネルを設置した家ばかりというわけでは決してないと思います。
　私が知事になれば、大阪府の太陽光パネル設置の補助金を復活させ、大阪府にグリーン推進局を創設して、日本一の省エネ・再エネの自治体をつくり、太陽光パネルや断熱効果の高い住宅への改修で光熱費を下げて暮らしを守ります。
　その仕事を担っていただくのは、地元工務店や中小零細企業の皆さんです。再エネ・省エネ、地球温暖化ストップに貢献するとともに、大阪の屋台骨である中小事業所の仕事を増やし、新たな雇用を生み出し経済成長につなげることができます。
　この仕事は、原発最優先の政治ではできません。原発にきっぱり決別ができる私、たつみコータローを府知事に押し上げていただいて、この仕事を実行させてください。

願い叶える大阪府知事に

　大阪の教育が危機的です。
　さきほど元府立高校教員の方が訴えられました。当時の松井知事は、定員割れ高校は魅力のない高校と言いながら、地域で愛され必要とされてきた府立高校をつぶしてきました。私が知事になれば、そんな府立高校つぶしはやめさせます。
　私学無償化というのであれば、入学金の補助制度をつくって、安心して進学できるような制度にするべきです。
　そして、私は新しい学校をつくりたいのです。障害のある児童や生徒が通う支援学校です。バスで１時間かけて遠距離の支援学校に通学しなければならない。そこでは教室をカーテンで仕切って詰め込みです。
　障害のある児童生徒が十分に成長できる当たり前の教育環境を整えることが必要です。誰もが学べる環境をつくることが、知事の仕事です。
　性被害に遭われている方が、大阪でもたくさんいらっしゃいます。私が国会議員の時、大阪のワンストップセンターの課題を取り上げました。その後一定の予算がつきましたが、年間予算は１６００万円ほどで、１桁も２桁も足りないと思います。結局ワンストップセンターの持ち出しで、被害者のサポートなどをしている状況です。
　私が知事になれば、鉄道会社にすぐに要請して、緊急対策して電車などでの痴漢被害をなくす。万が一被害に遭っても、医療費の心配なく安心して相談ができるワンストップセンターを府内各地につくり、大阪から性被害をなくしていくために頑張りたいと思います。
　私は、１月７日に立候補の記者会見をした時の私ではありません。この間、たくさんの府民の皆さんから「こんな大阪にしてほしい」という願いを何百も聞いてきました。
　私の知らないことも、たくさんの実態を教えていただきました。お聞かせいただいた要望や希望をすべて、大阪府で実行していきたいと思います。皆さんの希望がかなう、子どもたちに未来を手渡せる大阪をつくるために、皆さんの思いすべてをこの中に詰め込んで、選挙期間中訴え続けていきます。
　最後の最後まで一緒にたたかってください。新しい大阪を、あなたと一緒につくります。
　どうかこの府知事選、たつみコータローを勝ち抜かせてください。一緒に頑張りましょう！

(大阪民主新報、2023年4月2日号より）