2023年04月07日
宮本岳志のよもやま話
政治を前に動かした力
岸田政権が発表した「異次元の少子化対策」の「たたき台」には、「学校給食費の無償化の検討」が盛り込まれました。「検討」ですから安心できませんが、国民の運動と日本共産党の議会論戦が、また一歩政治を前に動かしました。
自民・公明など与党は「自分たちの実績」にしたいのでしょうが、しぶしぶ重い腰を上げたにすぎません。和歌山県議会では昨年6月に日本共産党も提出者となって「学校給食の無償化を求める意見書」が提出されましたが、自民党、公明党が反対して否決しました。地方選挙を前に、とうとう国民の声に背を向け続けることができなくなったのです。
日本共産党国会議員団が初めて「学校給食の無償化」を求めたのは今から72年前。1951年3月19日の参議院文部委員会、「教科書無償法」の審議で、わが党の岩間正男議員が、義務教育が無償と言うなら教科書にとどまらず、給食費もその他の経費も無償にすべきだと迫ったのです。
当時の辻田力文部省初等中等教育局長は、無償化の対象を「現在は授業料でございますが、そのほかに教科書とそれから学用品、学校給食費というふうな、なおできれば交通費というふうなことも考えております」と答弁しました。ただ、当時の財政上ではできない。もう少し待ってくれと答弁しています。国民とともにたたかい続けて72年。ついに重い扉が開きました。日本共産党の議席が増えれば、もっともっと政治を前に動かすことができるに違いありません。(みやもと・たけし 日本共産党衆院議員 次回は5月14日号に掲載)
(大阪民主新報、2023年4月9日号より)