破綻あらわ 大阪カジノ計画
カジノストップへたたかいさらに
市民団体 政府の認定強行に抗議
カジノを核とする統合型リゾート(IR)を巡り、政府のIR推進本部会議(本部長=岸田文雄首相)が14日、大阪府・市が申請したカジノ誘致計画(区域整備計画)を承認し、正式に認定されました。今後、大阪府のカジノ事業者との「実施協定」の締結などの手続きが必要で、大阪のカジノ誘致は本決まりになったわけではありません。「カジノはあかん」と運動してきた市民団体は、認定強行に断固抗議するとともに、カジノ計画をストップさせるたたかいを続けています。
大阪のカジノ誘致計画は、大阪湾の埋め立て地、夢洲(ゆめしま)にカジノや国際会議場、展示場や娯楽施設、ホテルなどが一体となった巨大観光施設を造るもの。2029年秋に開業するとしています。運営主体は米カジノ大手のMGMリゾーツとオリックスを中心とした「大阪IR株式会社」です。
IRの年間の売り上げ5200億円のうち、8割の4200億円を占めるのがカジノ。IR・カジノの法律では「高い国際競争力」が目的ですが、計画ではIR全体の年間来訪者2千万人のうち、7割の1400万人を日本人が占めるなど、認定の前提が崩れています。
夢洲の液状化や土壌汚染対策に大阪市が788億円の公費投入を決めたことや、地盤沈下対策の負担などは未解明のままです。IR用地の不当に安い賃料・不動産鑑定評価を巡る疑惑では、土地の賃貸契約締結の差し止めを求める住民訴訟も提起されている中で、認定に道理はありません。
カジノに反対する大阪連絡会は14日、「大阪カジノ誘致計画を認定した岸田首相と国道交通大臣に断固抗議する」との声明を発表し、誘致計画の中止が実現するまで粘り強くたたかうと表明しました。
日本共産党府委員会カジノ問題プロジェクトチーム責任者の辰巳孝太郎氏(元参院議員)も同日、抗議声明しました。
大阪連絡会の代表団が18日に上京し、国土交通省と厚生労働省と交渉。大阪の誘致計画がカジノ実施法の前提である「高い国際競争力」を満たしていないことなど、認定を巡る問題についてただしました。交渉には、日本共産党の山下芳生参院議員、宮本岳志衆院議員らが同席しました。(次号に詳報)
(大阪民主新報、2023年4月23日号より)