「市民の身を切る改革」やめて
住民サービス拡充で好循環を
野村さんで維新市政転換
堺市長選 4日投開票
堺市長選が4日、投開票されます。選挙戦は、党派を超えた市民共同候補で、日本共産党も参加する「住みよい堺市をつくる会(つくる会)」が自主支援する無所属新人の元堺市議、野村ともあき氏(49)と、大阪維新の会公認で現職の永藤英機氏(46)の一騎打ち。野村氏は維新市政の「市民の身を切る改革」にきっぱり反対し、住民サービス拡充で堺を発展させる公約を掲げ、「私の挑戦へ、堺市民の皆さんの力をお寄せ下さい」と訴えています。
市民からの声数多く聞いて
選挙戦最後の日曜日となった5月28日、野村氏は自転車に乗っての宣伝も交えながら、市内の駅頭など6カ所で街頭演説しました。
南海堺東駅前で野村氏は選挙戦で、市民から「今の市長の顔を見たことがない」「堺市からの補助金が廃止・削減された」との声を数多く聞いてきたとし、「今の市政のままでは堺市は元気にならない」ときっぱり。維新市政が偽りの「財政危機」をあおり削減してきた住民サービスを復活し、できる限り拡充したいと表明しました。
代表的なものとして挙げたのは、65歳以上の市民が路線バスや阪堺電車を1乗車100円で利用できる「おでかけ応援制度」。永藤氏は4年前の選挙で「拡充」を公約しながら、2度も改悪案を議会に提案し、否決されました。
100項目の公約を掲げて
野村氏は、同制度は高齢者の健康づくり、孤独・孤立の解消、さらには地域経済へのプラス効果があるとし、高齢者の対象年齢を継続し、1千円の発行手数料を撤廃、カードの利便性向上、妊婦や乳児の保護者への拡充を約束。永藤氏が公約違反の挙げ句に制度継続を口にしているのとは対照的です。
「日本一の子育て・教育」「人生100年時代の健康づくり」などを柱とした100項目の公約を掲げる野村氏。「住民サービスの大幅拡充で新たな人口を呼び込み、街を活性化させて景気を上向け、増えた税収で住民サービスを拡充する。この好循環をつくるチャ ンスが市長選。市民の皆さんの『市民の身を切る改革』では、暮らしは絶対に良くならず、街は発展しない」と力強く語りました。
対話飛躍の大作戦を――つくる会が勝利へ全力
つくる会は告示後、平日の夕方に市内主要駅頭で日刊ビラ「いいね!堺」を配布。「無所属・元市議さんでくらしも景気もこんなに変わる」(1号)、「おでかけ応援制度 ホントに大幅充実させよう」(2号)などテーマは日替わりで、永藤市政の問題点や野村氏の政策を分かりやすく伝えています。
野村氏の政策を紹介したシールボードを使った対話も各地で広がっています。
日本共産党の藤本ケン堺市議らは5月28日、堺市堺区の戎公園(ザビエル公園)やスーパー前で行動しました。公園での対話は5回目。小さい子どもと一緒に遊びに来た保護者たちが、「学校給食費の無償化」「保育料の無償化」などを選択。4歳と3カ月の子どもを連れた30代女性は、おでかけ応援制度を妊婦や乳児の保護者にも拡充する野村氏の政策を聞き、「ぜひやってほしい」と期待を語りました。
藤本氏は「野村さんの政策と子育て世代の願いが、ぴったりかみ合っているのを実感します。話が弾み、支持が広がります。市長選があることを知らない人もいる中、最後まで対話をやり抜きたい」と話します。
つくる会は5月30日付けで、各団体・地域連絡会のすべての構成員への訴えを発表。選挙戦最終盤、相手陣営の逃げ切りを許さず、対話を飛躍させる「大作戦」をやり切り、「堺の未来がかかったこのたたかいに何としても勝利しましょう」と呼び掛けています。
〝市長選はデッドヒート〟 維新 引き締めに躍起
日本維新の会の馬場伸幸代表や大阪維新の会代表の吉村洋文知事らは5月28日、永藤陣営の応援に入りました。
永藤氏は、大阪府と連携して実現した今秋のG7貿易大臣会合の堺開催や、2025年の大阪・関西万博の効果を呼び込み、堺の成長につなげるとし、「成長と改革を原資に住民サービスを拡充する」と演説。この4年間の住民サービスの廃止・縮小を「徹底的な事業見直し」などと述べました。
吉村氏は「相手方の候補は反維新で結集しているが、何かビジョンがあるわけではない」と攻撃。馬場氏は「反維新が結集し、デッドヒートになりかけている」として引き締めを図りました。
(大阪民主新報、2023年6月4日号より)