大軍拡・大増税は平和と暮らし壊す
「基地強靭化」対象の八尾で集会
〝戦争するな〟の共同広げよう
自衛隊基地強靭化の対象となっている陸上自衛隊八尾駐屯地(八尾市空港1丁目)近くで1日、「平和・いのち・くらしを壊し若者の未来を奪う大軍拡・大増税NO!7・1八尾市民集会」が開かれ、120人を超える市民が参加しました。「大軍拡・大増税NO! 八尾連絡会」が主催。岸田文雄首相宛ての「大軍拡をやめ、平和外交とくらしを守る要求書」を確認し、集会後、JR志紀駅前で宣伝しました。
「安保3文書」の撤回を
暮らしにこそ税金使え
近隣国と対話・外交を
自公政権は昨年12月、先制攻撃も可能な「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有を初めて盛り込んだ「安保関連3文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)」の改定を閣議決定。日本共産党の小池晃参院議員が3月、参院予算委員会で明らかにした防衛省資料には、全国約300地区で、司令部など主要施設の「強靭化」を図る計画が示されていることが分かりました。大阪の八尾駐屯地と信太山駐屯地もその対象となっています。
基地拡張反対を明言しない市長
八尾駐屯地では、格納庫の新設計画が進んでいます。大松桂右市長=大阪維新の会=は6月の市議会で、日本共産党の田中裕子市議に「基地拡張に反対という歴代市長の姿勢を踏襲するか」と問われましたが、「総合的に判断する」と繰り返すばかりで、反対を明言しませんでした。
駐屯地に囲まれる形で、民地が約2万平方メートルあります。田中議員の議会質問で、防衛省が7月中に地権者へ説明会を開くことが判明しました。民地は八尾市が保有する土地も含んでいます。
市民を守るのが地方自治の本旨
八尾駐屯地近くの志紀町南公園で開かれた集会では、田中議員が発言。「(地権者への説明会は)これまで必要ではなかった土地が、これから必要になるということ。格納庫を新設し、土地を買って、防衛省は何をしようとしているのか。地元市や周辺住民に明らかにしないまま進めてはならない」と指摘。「八尾市が土地を売ることは基地拡張につながる。売ってはならない。市民の命と暮らしを守る地方自治の本旨を、今こそ発揮させる時だ」と述べました。
誰を守ろうとしているのか
駐屯地には小・中学校、民家、公営住宅、市立認定こども園が隣接しています。
危険な戦争に関わらせないため
小2から中3まで5人の子どもを育てる山下美苗さん(40代)=同市在住=は、「駐屯地の隣にこども園をつくる時、反対運動をした。しかし当時は自衛隊ヘリの騒音被害を問題視し、戦争に巻き込まれることなど考えていなかった」と振り返ります。「日本は、軍事費を増やしミサイルを買ったり自衛隊を強靭化したりして、いったい誰を守ろうとしているのか。基地さえ守れたら、周りの住民はどうなってもいいのか。子どもたちを危険な戦争に関わらせないために頑張りたい」と話しました。
そのこども園に3人の孫が通う大倉イツ子さん(74)=同市在住=は、「こんな危険な場所にこども園があることがとても心配。以前、自衛隊のヘリが落ちて、散らばった部品を探し回っている隊員を見て、不安になったことを思い出す。『軍靴の音が聞こえる』とは、今この状態のことではないか」と不安を話しました。
別の女性は「戦争準備をすれば安心か。事実は全く逆だ。敵基地攻撃能力など準備していたら、相手国だって攻撃したくなる。考えることはお互い同じで、戦争準備などしないのが一番安全だ」と訴えました。
誰一人戦争で命失わせないため
日本共産党の清水ただし衆院近畿比例候補・前衆院議員が、国会情勢を報告しました。「日本を世界第3位の軍事大国にしようとすると、岸田政権は5年間で43兆円もの大軍拡の財源を集めなければならない。そのために少子化対策を行う予算を持ってくることができない。大軍拡と少子化対策は絶対に両立しない。福祉や教育をよくするためには、大軍拡を止めることが必要だ」と強調。また「誰一人戦争で命を失わせないため、自衛隊員を海外での戦争に送ることに反対の声を上げ、共同を広げよう」と呼び掛けました。
集会で参加者が確認した「要求書」は、安保関連3文書や関連法の撤回や、軍拡でなく医療や教育など暮らしを守るために税金を使うこと、近隣諸国と約束した協定などによる対話・外交を真剣に強化することを求めています。
(大阪民主新報、2023年7月9日号より)