暮らし営業守る予算に
共産党府議団が予算要望
日本共産党府議団(宮原威団長)は来年度予算と施策の重点について9日、府に要望しました。植田浩副知事らが応対しました。
要望は、バブル経済が崩壊した1990年度と比べて、全国的には総生産が約10%、雇用者報酬は約5・6%上昇していますが、府内では総生産はマイナス4・5%、雇用者報酬はマイナス9%へ減少するなど、府下の経済状況の厳しさを指摘しています。生活保護率や就学援助受給率も全国平均の約2倍となっており、府民の暮らしや営業、安全な生活を守り、経済振興をはかる府の役割と責任は重大としています。
しかし府では「維新府政」によって2008〜13年にかけて、府民施策1770億円分が削減されてきました。一方で阪神高速淀川左岸線の延伸や地下高速鉄道なにわ筋線など、総額1兆数千億円に上る大型公共事業を進めようとしています。
無駄な開発を推進するための「大阪都」構想はきっぱり諦めるべきであり、いまこそ「住民福祉の増進」「市町村の補完」という広域的自治体としての役割を、府政運営の基本に据えることが必要と要望書は述べています。
要望内容は、①大阪経済振興へ〜雇用を守り、中小商工業者の支援強化を②医療・福祉・介護の充実で暮らしの応援を③子育て支援の抜本的・総合的強化で少子化対策を④子ども一人一人に寄り添い、可能性を伸ばす教育行政を⑤安心・安全、防災のまちづくり、緊急性のない大型開発の凍結・中止を⑥原発ゼロ、新エネルギーの大規模な普及、農林水産業の振興⑦平和を守り、文化が花開く大阪へ⑧府政の問題点や転換にかかわって⑨「戦争する国づくり」ストップはじめ、国政の問題点や転換にかかわって―の9つの柱からなります。
防災分野では南海トラフ巨大地震対策による津波に備え、10年以内としている防潮堤の液状化対策を前倒しすることや、遅れている住宅耐震化を進めるために助成額を引き上げるなど対策を拡大すること、道路や橋梁、水道などライフラインの耐震化を急ぐことなどを求めています。
(大阪民主新報、2015年9月20日付より)