裁判勝利でカジノを止めよう
格安賃料差し止め訴訟
「支える会」を結成
カジノを核とする統合型リゾート(IR)誘致を巡り、大阪湾の埋め立て地、夢洲(ゆめしま)の市有地を格安の賃料でカジノ事業者に賃貸するのは違法だとして、大阪市民10人が大阪市長らを相手取り、カジノ用地の賃貸契約締結の差し止めを求める住民訴訟を支援し、カジノ計画の中止を必ず実現しようと、「カジノ格安賃料差止訴訟を支える会」が12日、結成されました。
同訴訟はことし4月に提訴。大阪市は「適正な対価」で市有地を賃貸する責任があるにもかかわらず、不動産鑑定で「IRを考慮外」という条件を設定し、不当に安い賃料(1平方㍍当たり月額428円)で35年もの長期間、「固定賃料」(物価スライドのみ)で賃貸しようとしているのは違法だとして、賃貸契約の差し止めを求めています。
大阪市北区内で開かれた「支える会」の結成集会であいさつした、代表の桜田照雄阪南大学教授は、カジノ用地の不動産鑑定評価そのものが非常に不当で、それに基づいて格安の賃料が設定されていることを裁判所に認めさせる裁判だと強調しました。
住民訴訟でカジノ用地の賃貸契約が差し止められた場合、国交省は「認定できない」と明言していることを踏まえ、「しっかりやって(裁判に)勝とう。訴訟を契機に夢洲カジノをやめさせよう」と呼び掛けました。
2つの訴訟が合同で審理中
昨年7月には、カジノ用地の土壌対策費に大阪市が788億円もの公費を投入するのは不当だとして、大阪市民5人が大阪地裁に提訴(「夢洲IR差し止め訴訟」)。この先行訴訟と格安賃料差し止め訴訟は併合され、5月30日に大阪地裁(横田典子裁判長)で、合同で審理がありました。
今月12日に先行訴訟の第5回目、後発訴訟の第2回目の期日で、先行訴訟の弁護団から大阪市がカジノ計画の実施協定などの重要文書の情報公開を拒否している問題に関して、意見表明がありました。
大阪地裁は7月6日の決定で、先行訴訟原告団が市に公開を求めていた、それらの重要文書を裁判所に提示するよう求めています。
問題だらけ、疑惑まみれのカジノ計画は中止を
カジノに反対する大阪連絡会 荒田功事務局長
カジノに反対する大阪連絡会の荒田功事務局長(カジノ格安賃料差し止め訴訟原告)は次のように話しています。
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夢洲へのカジノ誘致を巡っては、ことし4月に国が計画を「認定」してからも、中止・撤回を求める声が広がって、国の審査委員会からも、多くの指摘と実施条件が付されています。
加えて、格安賃料の談合疑惑問題で、IR用地の土地鑑定メール198通が見つかりました。7月14日に公開したメールは、大阪市が「存在しない」としていたものです。土地鑑定にあたって大阪市側が「IRを考慮しない」条件を示していたことがわかりました。証拠隠ぺいの重大な疑惑です。
カジノ用地の地盤改良に790億円の公費支出は許せないとする裁判が昨年7月に提訴されています。現在、2つの住民訴訟が合同で行われています。
7月12日の裁判の後、「カジノ格安賃料差止訴訟を支える会」が結成されました。カジノは止められる! 運動を広げるとともに、裁判勝利でカジノ・IR計画を中止させるため訴訟へのご支援をお願いいたします。
裁判闘争支援へカンパ呼び掛け
「カジノ格安賃料差止訴訟を支える会」と「夢洲IR差し止め訴訟」原告団は、裁判闘争支援のカンパを呼び掛けています。振り込み先は次の通り。
〇カジノ格安賃料差止訴訟を支える会 ゆうちょ銀行 店番418・普通預金 記号:14190 番号:42033241 なまえ:中山直和 ナカヤマ ナオカズ
〇夢洲IR差し止め訴訟 住信SBIネット銀行バナナ支店 普通 6619974 イシダハジメ
(大阪民主新報、2023年7月23日号より)