北欧発・クリーニングデイ
日本共産党大阪中央地区が第10回目
主役は「真ん中世代」の党員たち
「もう必要ないけど、捨てるのはもったいない」「誰かに使ってほしいモノ、ありませんか」――そんなふうに呼び掛ける北欧フィンランド発のフリーマーケット「クリーニングデイ」が日本でも広がっています。日本共産党大阪中央地区委員会は22日、子ども服などを中心とした第10回目のクリーニングデイを開催。主役は30~40歳代の「真ん中世代」の党員たちです。
1点100円で販売
毎回の会場は、大阪市西区千代崎2丁目にある日本共産党西区委員会の事務所。大阪メトロ中央線の九条駅や長堀鶴見緑地線のドーム前千代崎駅が最寄り駅で、近くには京セラドーム(野球場)もあります。
事務所前には子ども向けの浴衣や夏服を吊るし、別の一角では絵本をはじめ古本を陳列。中に入ると子ども服や帽子、大人向けの服飾雑貨、カバンなどがいっぱい。「真ん中世代」の党員自身が持ち寄ったものや、地域の党員や支持者、繰り返し利用している人たちが提供したものです。
寄せてもらう物品は1人5点として無料で引き取り、1点100円で販売。利用するのは今回で3回目という、1歳4カ月の子どもを抱いた母親は、「経済的な事情もあり、子どもは1人だけと決めています。きょうだいのお下がりもないので、ここで子ども服を探すのが楽しみ」と話します。
たまたま通りがかった大阪市大正区在住の男性が、「明日、地域の祭りで屋台を出すので、ちょうどよかった」と、入り口に吊るしてあった法被を求めて帰りました。この日の売り上げは75点、7500円でした。
私にできることから
中央地区委員会の「真ん中世代」が第1回目を開いたのは昨年9月。西区の「真ん中世代」の仲間たちが、党創立100周年を迎えた日本共産党の姿を描くドキュメンタリー映画「百年と希望」(西原孝至監督)の鑑賞・交流会などを通じて、クリーニングデイの開催を企画しました。
メンバーの1人、りんごおばけさん(38)は6歳と1歳の2人の子どもの母親で、クリーニングデイを知ったのは日本共産党の月刊誌『女性のひろば』(昨年8月号)の記事。第1回目を取材した当時、「子育てを巡る環境など不安もある中で、自分たちにできることから、私たち自身が子ども連れで参加しながら、地域と交流したい」と話していました。
その後、統一地方選が迫っていたことし3月を除き、毎月最終土曜日に開催。売上は10回で計約8万円に上ります。第8回まではユニセフ(国連児童基金)などに寄付。第9回と第10回はジュエリーデザイナーからビーズやアクセサリーパーツを預かって販売し、クリーニングデイの売り上げと共に、ことし2月に起きたトルコ・シリア地震の見舞金に充てています。
毎回、手書きも交えた案内チラシを作って事務所周辺に配布するほか、最近は西区内のライブハウスや書店、映画館にも置かせてもらえるように。SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)でも告知し、西区の子育てママたちがつくるLINEグループが開催情報を発信。それを見て会場に来たという人もいるといいます。
地域に開かれた党へ
メンバーの1人、リオさん(47)は、不登校だった2人の子ども(小学3年と2年)がこの間、週2回登校する際に付き添っています。「いまの情勢に危機感を抱いても、なかなか活動できませんでしたが、クリーニングデイに来ることで、仲間と交流できるのが今の私にちょうどいい」と語ります。
大阪中央地区副委員長で衆院大阪1区候補の竹内よしのりさん(41)も、当初からクリーニングデイに参加。接客しながら党の「気候危機打開2030戦略」のパンフレットなどを渡し、交流してきました。「真ん中世代のアイデアで始まったクリーニングデイで、地域に開かれた日本共産党の姿が目に見えるようになってきたと思います。ベテラン世代の協力も得ながら、コミュニティーづくりの役割を果たせるよう、力を合わせて取り組みを続けたい」と竹内さんは話します。
(大阪民主新報、2023年7月30日号より)