おおさかナウ

2023年11月04日

山下よしきのあったかエッセイ
説得力ない首相と元気のない維新

 臨時国会が始まりました。参院議場で岸田首相の所信表明演説や各党の代表質問を聞いて感じたことがあります。
 ひとつは、首相の演説にまったく説得力がなかったこと。
 「変化の流れをつかみ取る」を基調にすえながら、「経済」では先進国で唯一賃金が上がらない国となった「変化」に触れず、「人口減少」という「変化」の根底にある非正規雇用の増大は無視。「外交・安全保障」では中国やロシアを包摂するASEANやグローバルサウスの「変化の流れ」を見ていません。自民党の参院幹事長でさえ「国民が期待するリーダーとしての姿が示せていない」と苦言を呈するほどでした。
 「大企業のもうけ最優先」「アメリカ言いなり」という歪んだ政治では、国民生活の困難増大という深刻な変化、国際政治の新しい変化をつかみ取り、国民に希望と展望を示すことはできないのでしょう。
 もうひとつは、維新の会に元気がなかったこと。大阪・関西万博について、日本共産党の小池書記局長は、工事が遅れ費用が膨れ上がり「すでに破綻している」と批判。原因は、軟弱地盤と土壌汚染の夢洲での開催に固執したことにあり、その狙いは夢洲でのカジノ計画のためのインフラ整備を、万博を口実に公費で進めることにあると告発し、万博の中止とカジノ計画の断念を求めました。
 たたみかけるような万博批判でしたが、その間、維新の議員席からは一言のヤジも出ず。ただ黙って聞いているだけでした。(やました・よしき 日本共産党参院議員)

(大阪民主新報、2023年11月5日号より)

 

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