おおさかナウ

2023年12月02日

物価高 苦しむ中小企業に支援を
大阪府議会環境産業労働常任委 石川府議が知事質問

 日本共産党の石川たえ府議は大阪府議会環境産業労働常任委員会で11月27日、2022年度大阪府一般会計決算について知事質問を行いました。石川氏は、コロナ禍と物価高騰で打撃を受けたものづくり中小企業への支援策が不十分だったと指摘し、府独自の支援策を抜本強化するよう求めました。

15年前と比べ4分の1以下

府民要求を掲げて知事質問する石川たえ府議=11月27日、府庁内

 石川氏は、コロナ長期化に加え物価高騰の打撃から立ち直れず、22年度に廃業した製造業者は少なくないと指摘。「こんな時だからこそ緊急措置が必要だった」と強調し、大阪府の事業所支援が十分だったのか、知事の認識をただしました。
 吉村洋文知事は「事業を立て直し、再び成長を目指すため〝稼ぐ力〟をつけていただく必要があると考えた」などと述べ、技術開発や販路開拓など事業再構築を支援してきたと答弁しました。
 石川氏は、〝『融資』『借り換え』と言われても返済の目途が立たない〟〝社会保険料滞納で差し押さえ通知がきた〟など当事者の声を紹介し、「事業継続さえ困難で倒産となる事業者に新事業を提案しても〝稼ぐ力〟につながるのか疑問だ」と指摘。近畿の企業倒産(22年度・負債額1千万円以上)が前年度比11・2%増える中、府のものづくり支援予算の執行額は2007年度の4分の1以下だと批判しました。

大阪府独自の支援を強めよ

 石川氏は、「大阪のものづくり産業をこの状態に放置していいとは私は思わない。なぜ補正予算を組んででも、ものづくり企業をはじめ中小・小規模事業所への支援策を強めなかったのか」と重ねて追及し、「物価高騰は収まる兆しが見えない。万博にばかり目を奪われず、困難を極める中小・小規模事業所に対し府の独自支援を強めるべきだ」と求めました。
 石川府議は11月22日、府議会環境産業労働常任委員会の決算質疑で商店街活性化や農業振興の課題を取り上げました。

商店街の振興予算の増額を

 石川氏は、コロナ関連事業の「商店街モデル創出普及事業」の22年度実績は10件で、事業化した2021年度から件数・予算額に変化がないと指摘。21年度の応募は30件あったとし、選定件数を増やすと共に、集客・活性化を目指すモデル採択外の商店街にも支援を強めるよう求めました。
 国のコロナ対応臨時交付金を活用する「商店街の魅力向上支援事業」を巡っては、「単発イベントだけでなく常に売り上げが上がる支援がほしい」(商店街)、「商店街に行きたいけど行けない。オンラインショップと言われても分からない」(消費者)などの声を示し、公式サイト開設やSNSによる魅力発信だけでは、集客には十分つながらないと指摘。2007年度比で6分の1に圧縮された商店街振興予算そのものを抜本増額する必要があると強調しました。

農業の担い手確保へ支援を

 農業振興の課題では、新規就農者の技術向上や経営指導に当たる普及指導員が果たす役割が大きいと指摘し、「農業の担い手確保へ普及指導員を増やしていく必要がある。新規就農者の定着と事業拡大につながる支援を」と求めました。

(大阪民主新報、2023年12月3日号より)

 

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