疑い、考え、行動しよう
大阪革新懇 講演と文化のつどい開く
進歩と革新をめざす大阪の会(大阪革新懇)が2日、講演と文化のつどいを大阪市都島区内の会場とオンライン参加の併用で開き、会場には128人が参加、ユーチューブの生配信は18接続でした。
元村有希子毎日新聞論説委員が講演
毎日新聞論説委員の元村有希子氏が「カガク力(りょく)を強くする!」と題して講演。科学記者の経験から、「カガク力」とは「疑い、情報をうのみにしない」「論理的に考え、自分の意見を持つ。理屈を大事にする」「おかしいと思ったらつっこむ。発言し、行動する」ことだと語りました。
元村氏は、20世紀は原子核の構造の発見や石油化学製品の発明などで「科学の世紀」だったが、原子力事故と「核のごみ」、プラスチック汚染はじめ「負の作用」が明らかになり、今、人類と地球の持続可能性に疑問符がついていると強調。気候危機問題の解決は待ったなしだと語りました。
科学技術の進歩が新たな需要を生み出し、大量消費が終わらないことは、「資本主義の一番分かりやすいモデルだ」と指摘。「私たちはそれでは駄目だと痛感している。だからこそ、『カガク力』を発揮し、疑い、考え、行動することが大切」と話しました。
2011年3月11日に東日本大震災・福島第一原発事故が起きた当時、元村氏は毎日新聞の科学環境部のデスクでした。原発事故の取材活動で陣頭指揮を取った当時を振り返り、「稼働中の1~3号機がメルトダウン(炉心溶融)を起こしたことを政府や東電が認めたのは5月。都合の悪いことを権力は隠し、対応が後手になった」と告発しました。
元村氏は、気候危機や感染症など山積する問題の解決で、政治と科学が協力する必要があるとし、「政治にその責任を果たさせるため、私たちは主権者・納税者として現状を知り、意見を持つことが大事」と強調。「環境問題など自分の将来に負担を抱き、行動し始めている若者たちに期待しよう」と語りました。
文化行事には「笑配師(しょうばいし)」こと、花吹雪紫音(はなふぶき・しおん)さんが出演。元村さんらもステージに呼び寄せ、話術と手品で会場を沸かせました。
新婦人府本部の杉本和会長(大阪革新懇代表世話人)が開会あいさつし、元衆院議員の村上史好氏(同)が閉会あいさつしました。
(大阪民主新報、2023年12月10日号より)