「大運動」を全党運動に
第29回党大会成功へ目標達成への飛躍を
日本共産党府委 第82回府党会議開く
日本共産党大阪府委員会は16日、大阪市内で第82回大阪府党会議を開き、第29回党大会決議案の討議を行うとともに、大会代議員を選出。党大会成功を目指す党勢拡大と世代的継承の「大運動」の経験交流と意思統一を行いました。柳利昭委員長が報告し、宮本たけし衆院議員が国会報告。討論では19人が発言しました。
全党運動と大会の歴史的意義を強調 柳利昭委員長が報告
柳氏は報告の冒頭、大会決議案を全党の討議と実践で練り上げ、決定することは、党内民主主義を貫く日本共産党の最も大切な任務だと指摘。議論と実践を強め、「今こそ『大運動』を全支部・全党員の運動にして、目標達成へ飛躍をつくりだそう」と呼び掛けました。
柳氏は、大会議案を練り上げ、「大運動」の目標達成をやり遂げる「二つの全党運動」について、第10回中央委員会総会(10中総)のあいさつで志位和夫委員長が強調した、第29回党大会の歴史的意義の3つの角度に沿って述べました。
改定綱領の世界論、日本改革論、未来社会論さらに豊かに
党大会の意義の第1は、前大会で改定した綱領が、激動の情勢下で生命力を発揮していることを明らかにし、綱領に基づく世界論、日本改革論、未来社会論をさらに豊かに発展させることです。
柳氏は、この立場で提案された第1章「国際情勢と改定綱領の生命力」が大変歓迎され、活発な議論が行われていると報告。世界資本主義の矛盾が深まり、若い世代を中心に社会主義への期待が大きく広がり始めている中、第4章「世界の資本主義国の矛盾と科学的社会主義」で、「人間の自由」こそ未来社会――社会主義・共産主義の目的で、最大の特質であることを分かりやすく伝えようと呼び掛けたことも、積極的に受け止められていると述べました。
日本改革の展望示し、日本共産党の反転攻勢ののろしを
党大会の第2の意義は、自民党政治と国民の矛盾が極限に達している下で、綱領を土台にした日本改革の展望を太く示し、総選挙躍進をはじめ日本共産党の反転攻勢ののろしを上げることです。
柳氏は、第2章「自民党政治のゆきづまりと日本共産党の任務」が示した自公政権と国民との矛盾はさらに深化し、政権末期の状況を呈しているとし、「しんぶん赤旗」のスクープを発端に、自民党派閥のパーティー券・裏金疑惑が政界を揺るがす一大疑惑に発展していると指摘しました。
決議案が提起したように、「岸田自公政権のゆきづまりの根底には自民党政治の二つのゆがみがあること。アメリカいいなり、財界のもうけ最優先のゆがみをもとから変える日本共産党を伸ばすことが希望の持てる日本をつくる道」だと、今こそ訴えていこうと呼び掛けました。
柳氏は、決議案が、「ゆきづまった自公政権を延命させる役割を担っているのが、日本維新の会と国民民主党」とした上で、大阪の維新政治について、「自民党政治以上の危険な姿」と述べるとともに、大阪のたたかいが、維新の旗印である「大阪都」を許しておらず、カジノ・IRの強行と大阪関西万博への批判が、「維新のアキレス腱となりつつある」と指摘していることを紹介しました。
大阪府委員会の万博中止声明(8月30日)発表後に起こっている大きな「潮目の変化」が、総選挙を巡る大阪の政党状況にも影響を与えていると指摘し、「十数年来の維新の台頭は、大阪の党の政治的、組織的前進の大きな障害物となってきたが、府党組織のぶれないたたかいが今の潮目の変化をつくりだしていることに確信を持ち、自公政権と共に、維新政治に対しても反転攻勢ののろしを上げていこう」と呼び掛けました。
柳氏は、決議案が提起した「市民と野党の共闘」への努力を、大阪でもさらに強めていくと同時に、共闘再構築の決定的な力は、日本共産党が党勢でも選挙でも躍進することだと強調。来るべき総選挙で躍進を目指す取り組みを強化することを訴え、「比例を軸」を貫き、近畿ブロックの「現有2議席絶対確保、3議席必ず」の実現へ、大阪比例56万票に責任を負う活動を提起しました。
後退にピリオドを打ち、党勢拡大の上げ潮に転じる大会に
党大会の意義の第3は、長期にわたる党勢の後退傾向にピリオドを打ち、新しい党勢拡大の上げ潮に転じる大会にすることです。
柳氏は、志位委員長が10中総あいさつで、「ここにこそ、第29回党大会の最大の歴史的意義、歴史的使命がある」とし、それは「党勢拡大・世代的継承の大運動」の成功にかかっていると訴えたことを紹介。
第3章「党建設――到達と今後の方針」で述べられている「多数者革命と日本共産党の役割」が、「大運動」の意義を深くつかむ重要な提起として受け止められているとし、多数者革命に取り組む党が、民主的な討論と共に行動を統一して活動することが、国民の多数を結集する上で不可欠だという解明も積極的に議論され、支配勢力による民主集中制放棄を求める攻撃への明確な反撃として確信を広げていると述べました。
柳氏は、決議案が、前大会の「第二決議(党建設)にもとづく党づくりの到達点」で述べた、全党の奮闘による「前進をつくりだす足がかり」は、大阪の取り組みでも確認されていると報告。双方向・循環型の活動の新たな開拓では、中央からの「手紙」を軸に、全支部・全党員の運動にする努力を最後まで貫きたいとし、世代的継承でも新しい前進が切り開かれていると強調し、青年・学生、労働者、真ん中世代の3分野での党勢倍加を目指す取り組みを進めてきたことを報告。世代的継承の前進方向を全党が共有し、「党勢拡大・世代的継承の大運動」の飛躍をつくりだすことを呼び掛けました。
12月、全支部と全党員が立ち上がれば飛躍をつくれる
柳氏は、7月からの「大運動」の大阪の到達は「130%の党」への「最初のハードル」の党大会現勢回復に距離を残しているものの、全支部と全党員が12月に立ち上がれば、必ず飛躍をつくれるとし、年内に、①志位委員長の「4問4答」動画・DVDでのミニ「集い」を開き、一人一人と約束をとっての話し合いで、正面から入党を訴える、②見本紙を活用し、結び付きを生かして、広く「しんぶん赤旗」を呼び掛ける、③党大会決議案と「第二の手紙」の二つの推進力で全党参加の「大運動」にする――を訴えました。
共産党伸ばし政治変えよう
第82回大阪府党会議の討論より
16日に開かれた日本共産党の第82回大阪府党会議の討論では、第29回党大会決議案の内容を深める立場から、各分野の取り組みや支部の活動が多彩に紹介されました。
自公政権、維新政治から反転攻勢へ
大阪市議の山中智子代議員は、議席過半数の維新が、二度の住民投票の結果を無視し、府市一元化、大阪市を実質的につぶす動きを進めていると告発。「どんな時も一歩も引かず、維新と対決してきた日本共産党が、強く大きくならなければならない」と述べました。
新婦人グループの代議員は、岸田政権と維新政治への怒りを語り合う中で、16年ぶりに会員の前大会現勢を突破したことを報告。「仲間と切り開いていく思いで、党大会にも向かっていきたい」と決意を表明しました。
共産党伸びれば大本から政治変わる
衆院大阪1区候補の竹内よしのり代議員は、地区が民青同盟を援助する中で、3カ月で同盟員数が倍加した専門学校や、街頭宣伝で党と出会った青年が相次いで加盟している経験を紹介。総選挙勝利目指す活動では、「政治とカネの問題が、党の魅力を語る最大のチャンス」だと強調し、「共産党が伸びれは大本から政治が変わるという訴えが、宣伝でも対話でも響き合っている」と語りました。
党員一人一人が力つけて強い組織に
衆院大阪2区候補の小川陽太代議員は、19年の大阪市議選で、自身が平野区の党議席を失ったことをきっかけに、「党員一人一人が力をつけなければ、強い組織をつくれない」と居住支部が変わり、学習、党勢拡大を日常化する中で、前大会比130%の党を実現させたと報告。JCPサポーターの活動の中でも、真ん中世代を党に迎えた経験を紹介しました。
吹田市の居住支部の代議員は、「聞いてもらうだけの議会報告会では、入党につながらない」と、党を知る会として開いた集いで入党者を迎え、党員が前大会比を回復したと報告しました。
このままでは党の組織が消滅すると
職場支部の代議員は、「このままでは党組織が消滅する」という危機感から、中央からの全支部・全党員への「手紙」を支部で読み合わせ、「返事」を出す中で職場に党組織がある意義を確かめ合い、同僚に入党を働き掛けて党に迎えた経験を語りました。
立ち上がれば大きな飛躍をつくれる
堺地区委員長の田中浩美代議員は、「130%」の党づくりをやり遂げるには、全党が決定を力に知恵を出し合うことで新たな方向が見えることを確信し、地区機関が一歩踏み込んで支部を援助する中で、前大会現勢を突破する支部が生まれたり、集いに取り組む支部が増えたりしていることを報告。「すべての支部が立ち上がって入党を働きかければ、大きな飛躍をつくれることは間違いない」と述べました。
世代継承 各地の経験を交流
世代継承の取り組みや前進の経験についても数多く語られました。
食料支援を契機に民青加盟が相次ぐ
入党3年の枚方交野地区の山前暁代議員は、食糧支援活動に参加した青年・学生が相次いで民青同盟に加盟していることを紹介。今年4月に加盟した青年が、科学的社会主義と党綱領に関心を寄せていたことに応え、地区が同盟員対象の全10回の科学的社会主義セミナーに取り組んだことも報告しました。
東大阪市議の塩田清人代議員も、食料支援活動で民青への加盟や入党者が増えていることや、街頭演説を聞いて入党した20代女性が、後の街頭演説の司会を務めてくれたことを述べました。
北河内南地区の堀尾晴真代議員は、青年学生オルグの役割と、オルグの成長を保障する地区委員会の援助体制の重要性について発言。大阪市西淀川区の保育支部の代議員は、仕事が忙しく活動できないとの声が多い中で集いに取り組み、20歳の保育士が入党した経験を話しました。
同市住吉区の真ん中世代の活動を紹介した代議員は、一人一人の真ん中世代党員の話をじっくり聞く中で、支部会議に参加できなかった党員が選挙活動やイベントに参加し、党外の人も党とつながるようになっていったことを紹介。「真ん中世代党員のあるところ、必ず新たな真ん中世代の仲間あり」と述べ、さらに奮闘したいと決意しました。
(大阪民主新報、2023年12月24日号より)