おおさかナウ

2023年12月30日

自公政権、維新政治に反転攻勢をかける年に
日本共産党府委 柳利昭委員長に聞く

 2024年を迎えるに当たり、日本共産党大阪府委員会の柳利昭委員長に、23年のたたかいを振り返り、24年にどう臨むかを聞きました。

 ――新年おめでとうございます。
 おめでとうございます。
 昨年は、1月5日に第7回中央委員会総会を開催して、23年の最大の任務を「130%の党」づくりへの挑戦とするとともに、春の統一地方選挙への勝利・前進への総決起を図ることを決めて、まさに年初めからダッシュをかけてきました。

前進方向開いた2023年

統一地方選での全党の奮闘

柳利昭府委員長

 統一地方選挙では、知事選挙で「明るい民主大阪府政をつくる会」とともに12年ぶりに独自候補として、たつみコータローさんを擁立し、維新政治との正面からのたたかいに挑みました。結果は及びませんでしたが、たつみさんが掲げた「カジノストップ、命と暮らしを守り、公教育の再生を」の3つの争点が鮮明になり、維新と四つに組んだ論戦が「明るい会」と全党・後援会を大きく励まし、選挙戦全体を攻勢的にたたかう大きな力になりました。
 選挙結果の全体は、維新が議員選挙でも得票と議席を伸ばして地方議員総数で第1党になるなど「大勝」する一方で、自民は大幅後退、公明も立憲も議席を減らしました。この下で日本共産党も前半戦、後半戦ともに議席後退という残念な結果になりました。
 同時に、21年総選挙以来の共産党封じ込めの大逆流に加えて、大阪維新の定数削減と大量立候補による府議会と大阪市議会での「議席ゼロ」の危機を、大阪府党組織の総力を集めて乗り越えるとともに、堺市議選では議席を増やし、後半戦でも全体として踏みとどまりました。得票を22年の参院選比で、前半戦で143%、後半戦で119%に伸ばしたことと併せて、今後のたたかいの足掛かりをつくったと思います。
 大阪府委員会は、「なぜ維新が『大勝』したのか、これをどう打ち破るか」の声に応える選挙総括を明らかにして、「130%の党」づくりへの挑戦と一体に、たたかいを強めてきました。また、ロシアのウクライナ侵略に加えて、昨年10月に始まったパレスチナ・ガザ危機に対して、「ジェノサイド許すな」「国連憲章と国際法守れ」の訴えと人道支援募金に取り組んでいます。

潮目の大きな変化    

 この中で昨年の後半から、国政でも大阪の地方政治でも、情勢の「潮目の大きな変化」をつくりだしてきたことは重要です。
 今年は、1月に第29回党大会が開催され、全党討議で練り上げてきた大会決議案の実践に取り組みます。昨年のたたかいで切り開いてきた前進方向を確信にして、来るべき総選挙勝利へ、自公政権とともに維新政治にも反転攻勢をかけていきたいと思います。

岸田政権の深刻な行詰まり

自民裏金疑惑の徹底解明を

 ――岸田政権の行き詰まりは、いよいよ深刻です。
 「しんぶん赤旗」のスクープが発端となった、自民党派閥のパーティー券・裏金疑惑は政界を揺るがす一大疑惑に発展して、内閣支持率は1割台に落ち込み自民党の支持率も急落しています。
 岸田首相は「安倍派切り」で乗り切ろうとしていますが、自民党全体を覆う疑惑であり、閉会中審査で関係者の証人喚問を行うなど、国会での徹底的な真相究明が必要です。
 政治資金パーティー疑惑の本質は、パーティーが企業献金の抜け道となって財界のもうけ最優先の政治のゆがみをつくりだしていることです。解決の方法は、パーティー券購入を含めた企業・団体献金全面禁止しかなく、日本共産党はすでに法案を提出して奮闘しています。
 自民党政治を終わらせる国民的大運動を起こすときです。党大会決議案が提起したように、「岸田自公政権の行き詰まりの根底には、自民党政治の2つのゆがみがあること。アメリカ言いなり、財界のもうけ最優先のゆがみを元から変える日本共産党を伸ばすことが希望の持てる日本をつくる道」だと、今こそ訴えていきましょう。
 政権危機が進む激動の情勢の下で、「比例を軸」を貫き、近畿ブロックの「現有2議席絶対確保、3議席必ず」の実現へ、大阪比例56万票を目指す宣伝と対話活動に、年初から打って出ましょう。

万博巡り維新批判が広がる

 ――大阪の維新政治への批判も大きく広がっています
 党大会決議案も、カジノ・IRの強行と大阪・関西万博への批判が「維新の最大のアキレス腱となりつつある」と指摘しましたが、昨年8月末の大阪府委員会の「万博中止」声明後、大きな「潮目の変化」が起こっています。
 世論とメディアの変化は顕著で、共同通信の「万博は必要か、不要か」の問いに、「不要」が68%、維新支持層でも65%が「不要」の調査結果は衝撃を広げ、際限のない費用負担増への怒りが示されました。各紙が「開催の是非」や延期を検討すべきという社説を掲げ、在阪のテレビ各局も批判の声を伝えています。さらに、万博がカジノ・IRのインフラ整備のために開かれることにも、批判が向けられています。
 問題の大本には、万博とカジノ・IRをセットにして夢洲開発を進める維新政治があり、これを成長戦略とする関西財界と自公政権の思惑があります。この中で、維新が掲げてきた「二重行政の解消で大阪は成長」のスローガンが、府・市一体の万博・カジノの推進で「新たな負の遺産」を生み出しかねないこと、「万博は維新が掲げる『身を切る改革』の例外なのか」との批判も出され、維新が自ら認めた「第二自民党」の姿があらわになっています。

ぶれないたたかいで   

 大阪の自民・公明が「万博への懸念」しか示せない下で、いち早く「万博中止」を提起して国会や府・市議会でも追及する日本共産党の役割が大きく光る局面を迎えています。これを伝える「大阪民主新報」の果たしている役割も重要です。
 この十数年来の維新の台頭は、大阪の党の政治的、組織的前進の大きな障害物となってきましたが、統一地方選挙での奮闘をはじめ、府党組織のぶれないたたかいが潮目の変化をつくりだしていることに確信を持って、大攻勢をかけていきましょう。

全党運動で強く大きな党を

 ――強く大きな党づくりが引き続き大きな課題ですね
 昨年は、7月から党大会に向けて、「党勢拡大・世代的継承の大運動」に取り組んできました。党員拡大では、300人近くの方を新たに党に迎えて支部に新たな活気をつくりだし、読者拡大でも連続前進を切り開いてきました。

全支部・全党員運動の努力

 特に昨年末の取り組みでは、「4月に申込書を書いたがためらっていた人が、12月になって届けてくれた」「これまでの働き掛けでは入党に至らなかった方が、次々応えてくれた」という入党の経験が相次ぎました。読者拡大でも、「これがあの有名な『赤旗』ですか。ぜひ読みます」「駅の宣伝で購読を訴えていると、売店の方が『読みます』と声をかけてくれた」など、情勢と党の役割への共感の広がりを実感させる経験が生まれています。
 大阪全体の目標達成には距離を残しましたが、全党運動を目指して中央が2回出した支部への「手紙」を議論して「返事」を寄せ、「130%の党」、「前党大会現勢の回復・突破」の目標をやり抜いた支部も数多くあります。
 また、世代的継承の新しい前進が切り開かれていることも重要です。

世代継承の新しい前進  

 大阪府委員会と地区委員会は、青年・学生、労働者、真ん中世代の3分野のサポート体制づくりを重視し、「大阪わかもの未来基金」による6地区への青年学生オルグの配置、ベテラン世代の知恵と力を集めた援助体制を強化してきました。この中で、民青同盟は昨年を上回る104人の同盟員を増やし、特に学生分野で前進をつくりだしています。
 労働者の中の党づくりでは、数年ぶりに現役労働者を党に迎える経験が相次いでいます。
 さらに、「真ん中世代が生き生き活動する党」を目指して各地で学習交流会などが開かれ、「真ん中世代党員のあるところ、常に新たな真ん中世代の仲間あり」と、同世代に働き掛ける活動が強められています。

府民の願いに応えて   

 大阪府党組織の皆さんの 奮闘でつくりだしてきた、こうした手応えとともに、党大会での全国の経験にも学んで、大会決 議案が提起した党建設 の前進をみんなで探究して、府民の皆さんの願いに応える日本共産党の役割を果たす決意です。
 「大阪民主新報」読者の皆さんのいっそうのご支援を心からお願いいたします。

(大阪民主新報、2023年12月31日・2024年1月7日合併号より)

 

月別アーカイブ