おおさかナウ

2024年01月13日

1千人の声集め学費無償化へ
日本共産党府委員会 スタート集会開く

 日本共産党大阪府委員会は5日、高等教育(大学・短大・専門学校)無償化キャンペーン第2弾のスタート集会を開きました。2月7日の文部科学省交渉に向け、全世代の声と実態を1千人規模で集め、国会請願署名「高等教育の無償化へ緊急の対策を求めます」と共に提出する計画です。党府委員会は、集会を「ユーチューブ」チャンネルで公開し、ネットアンケートを呼び掛けるQRコードの入ったプラスターや名刺サイズビラなど、宣伝グッズの活用を呼び掛けています。

2月の政府交渉目指して

学費無償化をと語る(左から)たつみ、わたなべ、園部の各氏=5日、大阪市天王寺区内

 党府委員会は昨年11月、学費無償化実現のための対話・宣伝キャンペーンをスタート。PR動画を配信し、各地で学習会や宣伝・署名を取り組みました。ネット・SNSでも拡散し、幅広い世代から寄せられたアンケートは400通に及びます。
 スタート集会は、たつみコータロー元参院議員・衆院近畿比例候補と、わたなべ結大阪3区国政対策委員長が進行役を務め、園部真拓・民青府委員長が青年分野の取り組みを発言。宮本たけし衆院議員・衆院大阪5区候補がオンラインで国会論戦などを報告しました。
 たつみ氏は、寄せられたアンケートでは、学費が「とても高い」「高い」との回答が計95%に上ったと語り、「仕送りがなく生活費をすべてアルバイトで稼いでいた。連日深夜バイトで学業にも影響が及んだ」などの実態を紹介。「お金の有無で進路が制限されれば貧困の連鎖につながる」、「結婚はある程度奨学金返済が終わらないと考えられない」など、世代を超え学費と奨学金返済に苦しむ実態が浮き彫りになっていると強調し、「社会を支える青年たちの学びを支え、教育の権利を保障するためにも高等教育無償化を実現する必要がある」と語りました。
 たつみ氏は「学生本人だけでなく、親や子どもの代まで長期間にわたって苦しめる現実は、先進国の姿とは思えない」と発言。わたなべ氏は、「子ども2人が大学と専門学校に通う1人親家庭では、祖父が学費を負担」、「60代の父親が、社会人として働く息子の奨学金返済を肩代わりし、月額2万3千円を支援している」と報告し、学費負担が学生や家族の暮らしを追い詰め、健康に生きる権利さえ脅かしていると指摘しました。「自己責任で済む話ではない。社会みんなで考え、解決しなければならない問題だ」と語りました。

 Q&Aコーナーでは学費値上げの根拠とされてきた「受益者負担」論や学費ゼロの財源について質問があり、わたなべ氏は、「日本の未来を支える学生の学びを保障することは、社会全体の利益になるはず。みんなで劣悪な実態を告発し、『自己責任論』を打ち破っていきたい」と発言しました。
 たつみ氏は、日本共産党が発表した「3つの緊急提案」(①学費を半額に氏入学金ゼロで無償化、②給付中心の奨学金制度に改革、③貸与奨学金の返済を半分に)を紹介し、もともと少ない教育予算を抜本的に増額することを前提に、大企業への優遇税制や所得税など公平税制の実現、無駄な公共事業見直しなど、税・財政改革による22兆円の財源で、学費無償化と給付型奨学金に必要な年間2兆円を確保できると説明。奨学金残高10兆円の半減予算は一時的支出で可能だと語りました。
 園部氏は、提案について「学生だけでなく世代を超えて共感できる政策。学生の4分の3が日常的にアルバイト漬けになり、3人に1人が平均300万円の奨学金を抱えて社会に出るのが現実。みんなで“おかしい”と意思を示し、社会を変える世論にしていきたい」と語りました

 宮本氏は、教育費の負担軽減を一貫して求めてきた日本共産党の運国会論戦を紹介するとともに、学生と国民の粘り運動が政府を大きく動かしてきたと強調。通常国会に提出される2024年度政府予算案では教育予算がほとんど増えていないと告発し、「地川を会わせて学費無償化の願いをぶつけていこう」と呼びかけました。

 

(大阪民主新報、2024年1月14日号より)

 

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