おおさかナウ

2024年01月20日

万博中止し能登地震の復旧・復興に全力を
万博開催に大義なし

 1日に発生した最大震度7の能登半島地震で、死者(災害関連死を含む)が232人に上り(17日現在)、家屋や施設が倒壊し、電気、水道、通信などのインフラが遮断されるとともに、1万7600人が厳しい避難生活を余儀なくされています。こうした中、日本共産党大阪府委員会(柳利昭委員長)は11日、「大阪・関西万博を中止して能登半島地震の復旧・復興に全力を尽くすことを求める声明」を発表しました(声明全文はこちらをクリックしてください)。

日本共産党府委員会が声明

 声明では、被災地の救命や救急活動と合わせ、ライフラインの確保、生活再建、河川・道路などの復旧には相当な時間と多額の予算措置を要することは確実で、国と自治体が最大限取り組むことは必要だと強調しています。
 「その最大の妨げとなるのが2025年4月の大阪・関西番万博」と指摘。万博に資材や人材、重機、巨額の税金が大量に投入されていくことになれば、「被災地の復旧・復興にしわ寄せがいくことは明らか」としています。
 日本維新の会の馬場伸幸代表が、「(万博が)北陸の皆さんにも、新たな夢や希望を持って明るい将来に歩みを進めてもらえるイベントになるのではないか」と発言(5日)したことに対し、「いのち輝く」をテーマに掲げるイベントを、被災地を軽視して進めることは許されないと批判しています。
 万博開催地である夢洲(ゆめしま)は地盤沈下が進行中で、南海トラフ巨大地震が起きれば液状化は確実だと指摘。夢洲へは橋とトンネルの2ルートしかないにもかかわらず、大規模災害時の具体的な避難計画はいまだに作成されていません。
 同党大阪府委員会は昨年8月30日、万博中止を求める声明を出しましたが、「このイベントを進める大義は完全になくなりました」として、きっぱり中止するよう改めて求めています。

たつみ氏・堀川氏が訴え

「大阪・関西万博をきっぱりやめ、被災地の復旧・復興に全力を」と訴える、たつみ氏(右から2人目)と堀川氏(その左)=12日、京都市山科区内

 日本共産党の、たつみコータロー元参院議員(衆院近畿比例候補、党府カジノ万博プロジェクトチーム責任者)は12日、京都市長選(21日告示、2月4日投開票)で、市民共同の確認団体「つなぐ京都2024」が推す弁護士の福山和人候補=無所属、新=を押し上げようと、京都市内の7カ所で街頭演説を行いました。
 たつみ氏は、堀川あきこ衆院比例候補(京都2区重複)らと共に訴え。日本共産党は能登半島地震の発生を受けてすぐに現地へ入り、対策本部を立ち上げ、被災地のニーズを吸い上げて政府に対策を求めていると報告。同時に全国で救援募金を呼び掛け、11日に約5千万円(第1次分)を届けたと語りました。
 たつみ氏は「被災地の復旧・復興にとって最大の足かせになるのが、万博だ」と強調。11日の声明を紹介しながら、万博の最大の目玉とされる日除けのためのリングに、350億円もかけて造ることはやめ、資材も労働力や予算も全部被災地に回すのが当たり前の政治だと力説しました。
 大阪だけでなく、京都でも自治体に万博のチケットが押し付けられ、京都の子どもたちが動員されることになると指摘。「京都市長選での福山氏の勝利で、大阪・関西万博をやめ、被災地の復旧・復興に全力を挙げる政治に転換しよう」と呼び掛けました。

(大阪民主新報、2024年1月21日号より)

 

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