おおさかナウ

2024年02月24日

暮らし守る施策拡充を
予算議会前に議員会議
日本共産党府委

 自治体の24年度当初予算案を審議する2・3月定例会に向けて、日本共産党大阪府委員会は13日、地方議員会議をオンライン開催し、90人が参加しました。公約実現や施策の充実、能登半島地震被害復興、インフラ整備と災害対策の点検・強化など、地方自治を巡る焦点の課題、議会論戦の重点方向などを学び、活発に交流しました。

富樫陽自治体局次長が報告

 党中央自治体局の富樫陽次長が、「2024年度地方財政の特徴と地方政治の課題」と題し、①政府補正予算と当初予算を一体に捉え地方行政に具体化・活用する、②24年度地方財政計画の特徴を押さえて自治体予算を分析する、③新年度焦点となる個別テーマについて――の3つの角度で報告しました。
 富樫氏は政府補正予算と当初予算案について、国が物価高対策で6月以降に実施する、所得税・個人住民税の定額減税(計4万円)や低所得世帯への給付金の概要、防災・減災に取り組む地方自治体が活用できる緊急防災・減災事業債(緊防債)の仕組みなどを詳しく紹介しました。

全体として不十分なプラン

 政府が7日閣議決定した「24年度地方財政計画」を取り上げ、地方税や地方交付税はじめ一般財源の見通しなどを説明しました。
 歳出面の課題では、会計年度任用職員の給与改善の課題、「こども・子育て支援加速化プラン」に盛り込んだ出産子育て応援、保育士配置、子どもの貧困と児童虐待防止、医療的ケアなど、全体として不十分な問題を強調しました。
 富樫氏は、公共交通や脱炭素、公立病院の経営改善、デジタル化の課題と健康保険証存続、国民健康保険の統一化問題、子ども医療費助成制度、医療・介護・障害福祉の3つの公定価格改定の課題などを詳しく説明しました。

ファストパス制度の問題点

 質疑応答では、オンラインを活用した申請・給付の仕組み「ファストパス」制度を巡り、個人情報保護や高額なシステム改修費の課題が指摘されました。
 富樫氏は「ファストパス」制度について、自治体が住民名簿を外部提供し、住民が民間企業のシステムにアクセスする問題点を詳述。マイナンバーカード利用が原則で、情報流出など重大なリスクがあると指摘しました。

教員の増員・拡充こそ重要

 児童・生徒に1人1台の情報端末と大容量高速の通信ネットワークを整備する「GIGAスクール構想」では、学校・教育現場から困惑や批判の声があると指摘。富樫氏は、同構想の課題を述べた上で、「教育現場の困難の解決には、教員配置の拡充こそ重要」と強調しました。
 4月施行の「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」(女性支援新法)を巡り、富樫氏は、自治体向けの事業補助の他、個人・事業者向けの補助制度があると紹介しました。
 防災・減災の課題と関わって、南海トラフ地震防災対策計画や水道管耐震化問題、学童保育指導員の非正規化、財政調整基金の取り扱いなどについても、活発に意見交流しました。

(大阪民主新報、2024年2月25日号より)

 

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