子ども医療費助成
18歳まで窓口負担ゼロへ
高槻市 独自補助で25年度に
高槻市の濱田剛史市長は2月28日、子ども医療費助成制度について受診1回につき500円の窓口負担(最大2500円)を、2025年度に完全無償化すると表明しました。新年度当初予算案に、完全無償化に向けたシステム改修費など3700万円が計上されました。1回500円の自己負担金は府制度によるもので、無償化の表明は府内43市町村で初めてです。
完全無償化 府内初の表明
この日開会した高槻市議会3月定例会に、市は総額1404億1098万円の2024年度当初予算案を提出。施政方針演説で濱田氏は、20年度に実施した高校生までの医療助成拡充に続き、「子育て中の保護者の負担を軽減するため、2025年4月診療分からの完全無償化に向けて取り組む」と述べました。
市の完全無償化は18歳未満が対象で、入院・通院とも現行制度で保護者が負担する1回500円の自己負担を廃止し、入院時の給食費(標準負担額)も所得制限なしで助成します。
22年度の18歳未満の医療助成件数は、延べ65万件で、これを基に市は25年度に必要な助成額を年間3億2500万円と試算。今後1年掛けてシステム改修や関係機関への周知を進め、新医療証を発行します。
この新医療証を掲示することで、医療機関での窓口負担をゼロ(現物給付)にする計画です。府外での受診では、償還払い(現金給付)となります。
子ども医療費の「完全無償化」は、23年4月に4選を果たした濱田市長の公約でした。市長選で濱田氏は、〝2つの完全無償化〟(①子ども医療費窓口負担ゼロ②小中学校給食費負担ゼロ)を重点公約に掲げ、給食完全無償化はすでに昨年秋に実現しています。
日本共産党高槻市議団は、1994年の制度発足前から、子ども医療の無償化を議会で繰り返し求めてきました。2022年12月市議会できよた純子市議は、「1回500円の負担は子育て世帯の負担になっている。市独自に子どもの医療費無償化に踏み出すことが必要」と質問していました。
大阪府の「子ども医療費助成制度」の補助対象年齢は就学前(所得制限あり)で、全国的に見ても最低水準。本来なら小学生から3割負担となりますが、府内すべての市町村が「中学卒業まで」「高校卒業まで」など対象年齢を引き上げ、独自予算で助成しています。
大きな一歩 次は府・国で
日本共産党 中村玲子市議
貧困が広がり物価高騰が暮らしを追い詰める中、〝財布の中身を気にして受診を手控えることがある〟という保護者の声を多く聞いてきました。
窓口負担ゼロは長年要求し続けてきたもので、完全無償化は大きな一歩です。
子どもの命はどこでも同じ。誰であっても、どこに住んでいても、安心してお医者さんにかかれる環境を実現するために、大阪府の制度拡充を求めるとともに、国の無償化制度が実現するよう力を尽くしていきたい。
(大阪民主新報、2024年3月3日号より)