万博中止 政府は決断を
被災地支援・暮らし応援こそ
明るい会が署名5万筆(第1次)提出
2025年大阪・関西万博の中止を求める要請署名を呼び掛けている、明るい民主大阪府政をつくる会(明るい会)が19日、東京都千代田区の衆院第1議員会館で、さまざまな団体や地域から寄せられた第1次署名5万478人分を、岸田文雄首相と自見英子国際博覧会担当相宛てに提出しました。経済産業省と内閣府の担当者に、「万博やめて被災地支援、暮らし応援を」との府民の声を伝えて懇談しました。
提出には、明るい会の有田洋明事務局長、大阪労連の菅義人議長、新婦人府本部の杉本和会長、大阪母親大会連絡会の松永律委員長、日本共産党の、たつみコータロー元参院議員(衆院近畿比例候補)が参加。宮本たけし衆院議員(衆院大阪5区候補)もあいさつしました。
提出に当たって有田氏は、万博の会場建設費の相次ぐ上振れや公費投入に、大阪府民の怒りや疑問が広がり、会場である大阪湾の埋め立て地、夢洲の危険性も明らかになっている中、昨年12月から呼び掛けている要請署名への賛同も広がっているとし、「大阪の実態を知ってほしい」と語りました。
政府側は「地元の意見や5万を超える署名を、政府の中でも受け止め、報告・共有したい」としつつ、成功に向けて準備を進めているとしました。
同時に、海外パビリオンのうち20以上で施工業者が決まっていないことに、「危機感を持っている」と説明。災害時の夢洲からの避難計画については、「検討中」と答えました。
万博の前売り券は1400万枚を販売する計画ですが、直近の状況は約76万枚だと説明。採算面や赤字になった場合の対応については、「会期中のイベントの内容などを検討する」などと述べるにとどまりました。
勇気を持って立ち止まれ
避難計画なしでいいのか
参加者が意見表明
懇談で菅氏は、建設労働者の間では「万博関連の仕事はしたくない」「工期が切られ、無理をしなければならない」との声が広がっていることを紹介。「能登半島地震の復興の仕事をしたいという人もいる。このことを受け止め必要な判断をすべき」と求めました。
杉本氏は、「避難計画は『検討中』とのことだが、南海トラフ地震はいつ起きるか分からない。そんなところで万博を開催していいのか」と問い掛け。「能登半島地震を受けた中で、万博の準備を進めることが正当なのか。やめてほしい」と訴えました。
松永氏は、万博は梅雨から夏場の開催で、熱中症や食中毒など、子どもたちの命と健康が心配だと強調。子どもたちを万博に招待するというが、「パビリオンの展示内容も不確かで、(引率する教職員は)下見もできない」と指摘しました。
たつみ氏は、能登半島地震が起きた中で、多くの国民は万博を開催していいのかと疑問を抱き、「万博に行きたい」という声も年々減っていると指摘。「勇気を持って立ち止まり、万博を中止する決断をする時期に来ている。万博のメーンテーマが『いのち輝く』、サブテーマが『いのちを救う』というのなら、今こそやめるべき」と語りました。
(大阪民主新報、2024年3月24日号より)