2014年09月27日
コータローの国会レポート
スタートラインが違う
参議院の重要事項調査で9月8日から17日まで、EU(欧州連合)本部のあるベルギー、ドイツ、スウェーデンに行ってきました。EUの財政再建や金融政策などについて、計13回のヒヤリングがありました。
28カ国が加盟しているEU。加盟のためには、国の借金が対GDP(国内総生産)比の60%未満であり、1年間の国債発行もGDPの3%未満という取り決めがあります。国の債務が対GDP比の230%となっている日本のような国は、入れてくれません…。
中でもドイツの財政規律は厳しく、2015年は税収と支出は同額になる見込みとのこと。公共事業など財政支出を望む声は高まっているようですが、財務担当者いわく、「借金してまで道路を直したいとは思わない」。確かにアウトバーンでも、日本ほどの道路整備はされていないと感じました。もちろん難なく走れます。ドイツは「債務ブレーキ」制度を憲法に書き込むほど財政規律を重んじています。
どの国の当局も共通して言っていたのは「structuralreform」が必要ということ。つまり「構造改革」。ここは日本と一緒です。やはりどこの政府も労働法制や年金制度を「後退」させたい。しかしどの国も元々の社会保障のレベルが、日本とは格段に違います。「ブラック企業」はありませんし、サービス残業もなく、夏はバカンスで3~5週間の休暇です。
日本の場合は「一生派遣」にホワイトカラーエグゼンプション。そもそものスタートラインが違う欧州と日本の社会保障制度。過労死を増やす「構造改革」は、どんな理由があろうともゴメンです。
(大阪民主新報、2014年9月28日号より)