おおさかナウ

2024年04月15日

宮本岳志のよもやま話
命の重みがかかった答申

 「情報公開・個人情報保護審査会」が3月29日、森友公文書改ざん事件の犠牲者、故・赤木俊夫さんのご遺族が開示を要求した行政文書を、その存否さえ明かさずに不開示とした財務省の決定について、「取り消して、存否を明らかにした上で改めて開示決定すべき」という答申を出しました。この答申に法的拘束力はなく、答申の内容と異なる決定となったことも皆無ではありません。
 しかし今回の答申には赤木さんの命の重みがかかっており、赤木さんやご遺族の思いを受け止めるなら、すべての文書を開示すべきです。4月9日に総務委員会で質問しましたが、準備の過程で驚くべきことが明らかになりました。
 文書改ざん発覚後の2018年6月4日、財務省は「森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書」を公表し、特に責任が重かった佐川元理財局長とともに当時の中村稔総務課長の処分を行いました。中村氏はその後、英国公使として日本を離れます。これについても佐川氏の国税庁長官就任と並んで、世論の大きな批判を浴びましたが、なんとその後帰国し、いつの間にか「国税庁長官官房審議官」という国税庁の重要ポストに就いていたのです。
 6年ぶりの対面。私は赤木俊夫さんの遺書を読み上げ、「亡くなった赤木さんに何の言葉もないのか」と迫りましたが中村氏は責任ある言葉を発しませんでした。赤木さんの痛みが少しでもわかるなら、財務省は答申に従い、ただちにすべてを開示すべきです。(みやもと・たけし 日本共産党衆院議員 次回は5月12日号に掲載)

(大阪民主新報、2024年4月14日号より)

 

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