2024年04月27日
走れ! コータローレポート
自民党の家族観が見え隠れ
離婚後の共同親権を認める改定法案が衆議院を通過し参議院に送られました。両者の関係が完全に破綻している場合でも、裁判所が命ずれば「強制的」に共同親権となり、子どもの進学や生命にかかわる医療行為、転居などを同居親だけで決めることはできません。
DV、モラハラ被害者からは不安の声が上がっています。被害者の住民票などの交付を加害者に行わない「支援措置」は年々増えて昨年は8万件にのぼり、接近禁止命令などの「保護命令」は1111件。DV被害があれば共同親権は認められないと政府は言いますが、推進派の市村衆院議員(維新)からは「保護命令以外は99%でっち上げ、虚偽DV」などというとんでもない発言も飛び出しています。
子どもの養育について共同で責任を果たしうる関係性が父母間にあれば、共同親権もあり得るのかも知れませんが、それは単独親権下でも面会交流含めて可能です。
共同親権になると別居親の所得も合算され、基準オーバーとなれば高校、大学授業料無償化制度も利用できないことも明らかになりました。その分を全額別居親が負担してくれるのでしょうか。
谷川とむ衆院議員(自民)は、「離婚しづらい社会になる方が健全」と発言しました。しかし関係の破綻した両親の軋轢に晒されることの方が子どもの利益に反します。どうも自民党の家族観、家父長制や支配欲を背景にした父権の復権が見え隠れします。拙速な議論で通してはならない法案です。(たつみ・こうたろう 日本共産党衆院近畿ブロック比例候補 次回は5月26日号に掲載)
(大阪民主新報、2024年4月28日・5月5日号より)