2015年11月08日
ただしの国会レポート17
食の安全損なうTPP
消費者問題に関する特別委員会に所属しているということもあり、先日、輸入食品の監視体制の調査で横浜検疫所を訪問しました。
職員のみなさんが空路や航路から毎日持ち込まれる肉や野菜などの輸入食材について、発がん性のあるカビ毒や残留農薬などが食品に含まれていないか、放射能測定は基準を満たしているか、様々な検査を行っている様子をつぶさに視察させていただきました。
検査員が野菜をミキサーで細かく粉砕していく工程や、冷凍フライの衣(ころも)をハサミでていねいに切り落とし、検体をこしらえていく様は料理人とは異なる、別の意味での職人芸と言えるものでした。
検疫所では、輸入されたおもちゃやプラスチック製コップなども検査。赤ちゃんが口にしたりするものだから着色料などに有害物質が含まれていないかを慎重にチェックしているそうです。こうして、わたしたちの安全が守られているんですね。
横浜検疫所だけでも毎日100件近い検査対象が届いているとのこと。食品検査には一定時間がかかるものもあり、現場は多忙を極めているといいます。
大筋合意されたと報じられているTPP交渉が妥結すれば、さらに輸入食品が増え、検査率は著しく低下すると思われます。検疫体制も危機に陥り、国民の命と安全にかかわる問題です。
聖域とされた主要5品目さえ関税が撤廃されるわけですから。TPP交渉からは撤退するしかありません。(清水ただし 衆議院議員 月1回掲載)
(大阪民主新報、2015年11月8日付より)